【感想・ネタバレ】魍魎の匣(3)【電子百鬼夜行】のレビュー

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京極夏彦による百鬼夜行シリーズ第2弾3冊目にして最終巻。
いよいよ全ての謎が明らかになる。時折挟まれる不気味なモノローグの真の意味、それぞれの事件のつながりとその真相、物語に配置された登場人物の一人一人に至るまできちんと意味を持たせ、最後まで丹念に紡ぎ上げられていく。この完成度の高さはどうだ。
猟奇的な事件を猟奇的なままで終わらせないところもさすがである。一見あり得ないと思えることも科学や医学の進歩によって有り得るのだということを再認識させられる。
ボリュームはかなりのものだが、それを忘れるくらい没入できる。

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2015年12月27日

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木場は悠寛と思い出している。

昔見た映画を思い出し、京極との約束を破った事に思いを馳せる木場から始まる最終巻。

今回は随所に怒っている京極さんが出てきますが……それにしても分かりづらいですね。憑物落としのやり方がいつもと違って苛めているように思うとか、流石付き合いが長いだけありますね、関口君。それだけ分かっているのに、打ち合わせなしで呼吸の合う京極・榎木津コンビのようになれず「知人」と呼ばれてしまう辺り、彼の立ち位置が窺えます。
でも、京極は鳥口君には関わりたくないかと確認しているのに関口君には頼みがあると一言でお願いしている辺り……。

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2013年01月06日

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京極堂シリーズ

京極堂が暴く御筥様の正体。教主・寺田兵衛の息子の正体。久保俊公の捜査に訪れた青木刑事。久保の反撃に会い重傷を負う。久保の逃亡と発見された久保のバラバラの遺体。久保の家から発見された箱に詰まった頼子の遺体。美馬坂研究所に潜入した木場修。美馬坂教授との対決。陽子と美馬坂の関係。柴田輝弘の遺産の相続の為の秘密。加菜子誘拐事件の真相と久保俊公の小説の関係。

 2011年6月3日再読

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2011年06月03日

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・江戸川乱歩「押絵と旅する男」っぽい印象から、こんなに遠くまで連れてきてもらって、また押絵に戻してもらって、凄い旅だった。
・前半の百合描写にときめいたからこそ、後半、……。
・人形愛者ピグマリオニストとしては、正直たまらん……。みっしりと……。
・冴えない中年としても、たまらん読後感……。
・宗教家・霊能者・超能力者・占い師の境界、そしてペテン師の定義。ご講義拝聴賛嘆いたしました。

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2024年04月04日

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読み物として秀逸。これぞエンターテイメント!ページを捲る手が止まらなかったのは久しぶり。京極夏彦を推理作家たらしめた百鬼夜行シリーズの、何故か2作目から手をつけてしまったわけだが、特に問題なく楽しめた。題材の印象が先行してしまっているのか、もしくは膨大なページ数のせいか、難解なイメージを持つ京極夏彦作品だが、「死ねばいいのに」「虚言少年」等と同じく読みやすく馴染みやすい文章。京極堂の演説は小難しくもあるけど、一般的にも許容範囲内だと思う。

ミステリーとしては規格外。人が死んで謎解きがあるのだから大枠はミステリーだとしても、犯罪を追及する論理が非論理的(なにしろ魍魎だし、、、)。その一方で、追い詰める探偵役は冷徹なほどに現実的、理知的、論理的な人間(陰陽師とかいう胡散臭い奴であるにも関わらず)であるという混沌を内包しつつも、破綻することなく一個の読み物として昇華されている。これを可能にするのが、時に冗長にも感じられる京極堂の演説であり、各登場人物の細かい心理描写なのだろう。特に京極堂の演説は、ただの知識のひけらかしでは?作者の主張詰め込んだだけでは?と思うくらい尺取るしクドいんだけど、最後まで読んでしまえば、「論理」と「非論理」の同居を違和感なく受け入れられる状態に読者を引き上げるためには必要な過程であることが分かる。これぞ京極夏彦作品!なのだろうなと思った。

突っ込みたいことは色々ある。関口の理解力のなさウザイなとか(読者視点の案内役なんでしょうがないけど曲がりなりにも文筆家、、、)、木場の行動を彼の歪んだ恋愛観に結びつけるのはちょっとこじつけっぽくない?とか、皆めっちゃ容易く他人の深淵から"あっち側"に引きずられるやん、そもそも京極堂はどういう立ち位置で関係者集めて演説ぶってんの?とか、加菜子ただのめちゃくちゃ薄幸の美少女だったなもっとキャラクター大事にしてあげて、、、結末もある程度予見できて意外性もないし、、、等々頭の片隅で私の冷静な部分が色々言ってたけど、まあエンターテイメントだしな!で解決。全体通して面白かったから良し。

それよりも京極堂の演説内容が個人的に興味深かった。
・宗教者、霊能者、占い師、超能力の違いの考え方
・釈尊は占いを禁じている
・神道は元来民族宗教である
・オカルトの本来の意味と、その間口の広さ
・福来博士の実験と当時の世相
・節分の由来
・魍魎は鬼より古い
ざっと挙げただけでもこれだけ。これらを読者に理解させる文章力と物語に過不足なく組み込む構成力、豊富な知識量には舌を巻く。純粋に知識として面白いから是非参考文献を読んでみたいです。

小説は作者の主義主張を反映しやすいものではあるが、そこに作者の技術や思惑がある以上直接的な意見とは言い難い、という件が本作にあるが、「犯罪は、社会条件と環境条件と、通り物みたいな狂おしい瞬間の心の振幅で成立する」という京極堂の主張はそのまま作者の主張なのではないかと漠然と思う。この意見に懐疑的であった関口が終盤、見事に"通り物"に憑かれそうになる展開は、犯罪者と関口=我々一般読者に線引きなどなく、条件さえ整えば誰でも犯罪に手を染め得るのだという実感を与える仕掛けなのだろう。こんなにページ数も多くて大きな"匣"なのに、中身もみっしり詰められ隅々まで緻密に練り上げられている、とても楽しい読み物でした。今度はちゃんと順番に読む。

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2021年09月22日

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先が気になって一気読み。
取り立ててものすごいトリックがあるというのではないけれど、読後にズンと重いモノを残してくれました。
そういえば京極堂は陰陽師だったのだなぁと後カバーのあらすじを見て思いました(笑)。理詰めで相手をぐいぐい追い込んでいくところは読んでいて面白かったです。
 それから娘にどんな形でも生きていて欲しいという親心はどうしようも切ないものです。
 魍魎の匣は見てはいけなかったものでした。

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2017年09月23日

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十年ぶりぐらいで読みました。さすがに以前の時のように一気に読んでのドキドキってのはなくなりました。文庫本ですから「めくりづらい」「手が重たい」ってねは無くなりました。仕事カバンにも収まり易い。
しかし、解ってるんです。あのぶっとさも京極堂の魅力の内だということも。憑き物がおちました。

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2013年09月25日

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やっと読破。
読み終わるのにものすごく時間がかかったので、
若干「これはなんだっけかな」と忘れていたこともあったり…(笑)


色々な「謎」が一気に解明されて、
おお!そういうことだったのか!
とすっきり。
ものすごく複雑に絡み合ってた糸が、
ほどけていく様はなかなか読み応えがありました。


なんだか私も京極堂さんに論破された気分です。
言い回しや定義が独特で面白いです。

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2012年08月22日

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