【感想・ネタバレ】役に立ち、美しい はじめての虚数のレビュー

あらすじ

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2乗するとマイナス1になる数「i」を虚数といいます。プラス×プラスはプラスになり、マイナス×マイナスもプラスになるという事実を私たちは数学の授業で習いました。それなのに、2乗してマイナスになるとはどういうことでしょうか?そんな数、存在するのでしょうか?そもそも数が「存在する」ということ自体、考え方にもよりますが、1とか2とか3が存在するというのであれば、虚数も存在すると言えるのです。そして、そんな“常識外”の数でありながら、単に数学の世界の中だけでの話でなく、思いっきり現実世界で使われているものなのです。本書では、半導体エンジニアとして虚数・複素数を実際に“使っている”著者が、それがどのように使われているのかと、その数学的美しさについて、易しく解説していきます。

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Posted by ブクログ

二乗してマイナスになる…高校時代に出会った虚数という存在は、人間の思考の可能性を示す象徴として自分の中に君臨し続けています。多くの科学が観察の説明としての論理として生まれているのに対して、虚数は人間の頭の中で生まれたものとして、まさに形而上的なるものに思えているのです。その後進んだ道にも大きく関係しているかもしれません。今は遠く離れた地点にいるのですが、でもNHKの「笑わない数学」の虚数の回の録画は視聴後も消せなかったりしています。「役に立ち、美しいはじめての虚数」…決して「はじめての」ではないのですが、「役に立ち、美しい」という言葉とピンクの表紙に惹かれて本書を手に取りました。数学者ではなくエンジニアが書いた虚数という切り口は「はじめて」でした。数学の神秘に引き込まれるというより実務家として虚数の使い方をどんどん展開していく流れが新鮮でした。「役に立ち」という部分の有効性が「美しい」のです。ひさびさにフーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換に出会い、なかなか理解出来なくなっていることを確認して、「思えば遠くに来たもんだ」読書でもありました。

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2024年05月01日

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