あらすじ
小都市ローマは、どのように帝国となったのか。共和政の誕生、ハンニバルとの戦争、皇帝の出現。グローバル化と人々の有り様を描く。
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Posted by ブクログ
この本はすごく面白かった!共和制ローマの誕生から衰退、皇帝の誕生までを追っていく内容。歴史的な経緯のみならず、それに付随して国のかじ取りをする権力の推移、国の内情の変化を丁寧に追っていて、属州の獲得からあっという間に変容していく共和制ローマという国の内実がよくわかるようになっている。属州や周辺での反乱・侵入へ対処していくうえでやむなく少しだけ権力の増長を許し、やむなくローマ社会自体も変化し、……というなかで権力を巡る人間の争いは止めようもなく進んでいき、共和制の仕組みは壊れてしまう。
「ローマ皇帝の出現がローマ帝国を成立させたのではない。ローマ帝国がローマ皇帝をもたらしたということである」と筆者は書いているが、まさにこの本を凝縮したような言葉である。
ローマ人にとっての自由は平等ではないという話、プロウィンキアという言葉から見る属州の扱い方が変化していく過程や、ポンペイウスとカエサルの違い、カエサルとアウグストゥスの違いなど随所になるほどと思うところがあって唸らされた。
著者が研究しているヒスパニアの属州の話が多いのだが、シリアやユダヤの属州の話ももっと読みたかったし、皇帝が誕生した後のローマの話も引き続き読みたい、と思う分かりやすさだった。
Posted by ブクログ
ローマ帝国の成立と変遷の過程を属州統治の観点を中心に整理する。コテンラジオ二周目でカエサル編を再聴したタイミングで。コテンラジオでもカエサルはそれまでの様々な変化や動きの積み重ねの最後の大回し的な位置付けとして整理されていたことをより解像度を上げて理解できた。ローマによる一方的な支配、搾取の関係ではなく、支配される側との相互作用の中で成立していったことや、皇帝が帝国を作ったのではなく帝国化したことが皇帝を生み出すに至ったという流れなどは他の時代や地域にも広く当てはまりそうな事象だと感じて面白い。
Posted by ブクログ
属州国を統治する難しさを理解した。
ましてやこの時代、支配する側もされる側も始めてのことなのである。帝国と呼ばれるようになるまで約300年の月日がかかった。
Posted by ブクログ
ローマ帝国の誕生から衰退に至るまでの歴史を解説。
特にローマが都市国家から帝国トなるまでの過程で他国との関係性や植民地支配の実態。
ローマ帝国内の権力闘争。
特に元老院の存在は、何処ぞの国の一部の世襲議員による政治に似ているし、人間は2000年以上の歴史が経過しても同じことを繰り返す生き物であることを実感しました。
それでもローマは一日にして成らずですし、ここまで真面目に読むことはなかったので面白かったです。
そう言えば、テルマエ・ロマエもこの時代のお話でしたね。
Posted by ブクログ
オーディブルにて
ローマ帝国の発生からその変遷の過程を、ローマと属州という関係性に着目する視点で描いている。
古代ローマに関連する本やテレビシリーズなどをここのところ色々見たり読んだりしていたのだが、ローマという都市国家がいかに始まり、属州やラテンの諸都市や他の国家とどういう関係を持ちその関係を変化させながらあの巨大なローマ帝国となっていったのかが詳述されていることで、ローマ視点だけで描かれているものとは違った広がりを持って知ることができて興味深かった。
読むのではなく、聞くことでこれだけ把握できるのでわかりやすく記述されていると感じた。