あらすじ
「壇上のエラい人」は日頃、どんな仕事をしているのか? どういうステップを踏んで管理職になるのか? 実績を上げる校長は、どこが凄いのか? PTA、教育委員会、議会との関係は?――現職校長が知っているようで実は知らない実態を明らかに。著者は『学校の「当たり前」をやめた。』で反響を呼んだ麹町中学校・元校長。現在、校長を務める横浜創英中学・高校の改革も適宜紹介。その気になれば、校長はここまでできる! 全教員必携の経営論・人材育成論にして、保護者向け永久保存版テキスト。
まえがき――実は大きい!「校長の力」
1章 生徒と教師が自律するマネジメント
2章 つねに最上位目標に立ち返る
3章 校長になるプロセス、なってからの権限は?
4章 教育委員会、議会の知識はなぜ役立つのか?
5章 保護者やPTAとどう付き合うか?
6章 言葉の力――いかに価値観を揺るがすか
7章 民主主義の学校―対立を恐れない心をどう作るか?
あとがきに代えて――横浜創英が進める「学びの大転換」
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Posted by ブクログ
工藤先生の思考は、従来の教師のものとは異なるため賛否あるようですが、個人的には概ね賛成です。ちなみに現職公立中学校教諭です。昨年、たまたま機会があり、チーム担任制を経験しました。本書に書かれているように、担任の責任の分散や教員同士の連携強化など、肯定的な効果を実感しました。(もちろん課題もありたしたが…)また、工藤先生の「生徒一人が主体性をもち、自律することができる」や「一人の生徒もこぼさない、100%の合意を目指す」という考えに強く共感しています。もちろん実現には、並大抵の苦労では不可能だと思いますが。自分がもし校長となったら、最上位目標を常に心に刻み、生徒と保護者にとって最良となる選択をしていきたいと思います。あと、教育委員会の少し知ることができ、勉強になりました。
Posted by ブクログ
組織を変えたい、よくしたい。やはり組織はトップで変わる。そういうトップが来てくれないかと願う。そんなトップが来ないとがっかりする。なら、自分がトップになればいい。またやる気の出る一冊に出会えた。未来は自分でつくるものだ。
Posted by ブクログ
人を育てること、その器である学校が大事にべき理念と行動を、実体験をもとに説明している本。
考え方、行動に対してすごいなと思うのと、これは学校等の教育現場だけではなく、仕事でもものすごく大事なことだなと思った。
仕事ではリーダーとしてあるべき理念と行動規範になるものだと思い、この本にすごい刺激を受けました。
今まで読んできたなかでとても衝撃を受け、人にオススメしたい本でした。
星5つを超えて7つくらい。
Posted by ブクログ
2024/05/04
何かと先進的な取り組みをしている横浜創英中学・高校の校長である工藤勇一さんの本。
元々は麹町中での色々な革新的な取り組みから話題になってずっとこの人の本を読んでいたこともあってまた新しい本が出たとのことで読んでみました。
新しいことを始めた、というよりもこれまでの教育のあり方を根本から見直して「どうすることが本当に子どもたちのためになるのか」という原点に立ち返ったとき、学校として「存続させるもの」「変えた方がいいもの」「やめた方がいいもの」に分かれると思うのですが、そのうち、「変えた方がいいもの」を大胆に変えて、今まで常識、当たり前と思われてきたことに真っ向から向き合って取り組んでいることが周りからはとても印象的に写るのではないかと思います。
ただ時代が変わったから変える、のではなく、どうして変えるのか、本当に今やっていることに意味はあるのかということを改めて根本から考え直すモチベーションをこの本から得たような気がします。
Posted by ブクログ
■校長として一番大事なことを促す。それは原点に立ち戻るということ。
最上位の目標とは何だったのか。それをみんなで確認する。
■校長は感情に訴えかけるな。
組織を成長させるためには「感情に呼びかけてはいけない」。
組織が成長していくためには、参加者一人一人が当事者となってトライアンドエラーを繰り返すことが必要になる。逆に失敗させることこそが大切。小さい失敗ができる組織こそ、大きな失敗を起こさない。
大きなリスクにならない失敗は、体験を通して課題を理解し、解決力を伸ばすチャンスになる。トップがいつも答えを示してしまうようでは、人材も組織も育たない。
■国をあげて労働生産性を向上させる取組を行っているが、なかなか改善が進まない最大の理由が、日本の学校の宿題の多さにある。つまり、一向に労働生産性を上げることができない大人の姿は、すでに小学校時代にできあがってしまっている。
Posted by ブクログ
私の母校の先生が書いた本。
民主主義とは何か、社会とは何か、法とは何か、そういった色んな疑問について深く考えた上で発された言葉が、子どもたちを現実に変えていて、そこがすごいなと思った。
工藤先生の時代を経験できる今の学生さんはいいな。羨ましい。
民主主義についてよく考え、考え抜いた上で、対立しながらも止揚(という言い方はしていないが)する概念を探す。そういう訓練が、すごくよくできた人なんだなという感じをもった。自由は押し付けられてしまうと意外と大変とか、色んな示唆に富む内容が書いてある。
単純に民主主義はなんでも決められて、自由でいいと思いがちなんだけど、決めたことには責任というか、自由を押し付けられたことで色んなことを逆に決めないとならなくなり、自由が単純にいいと思えなくなる。自由服がいいからと自由服の期間を設けると、逆に自由がない方がいいと思ってしまうことも。
そういう考える機会を与えられて振り返りつつ、自分で考えて決めていく、そういう行動ができる学生を育てているんだなぁというのが、言葉からも、色んなところの学校の評判からも伝わってくる。とても良かった。
Posted by ブクログ
校長の役割や公立校の組織の仕組み(教育委員会、昇進プロセス)など、一般には翌知られていないことが、わかりやすく書かれていて、大変勉強になった。工藤校長の人柄がでていて、元気が出る本だ。
Posted by ブクログ
「学校が変わらない理由、変わる秘訣」というサブタイトルに惹かれて購入。期待を裏切らない本だった。教育現場と企業であっても問題を解決するアプローチには通ずるところがあって、とても勉強になった。
①生徒と教師の自律。生徒達を当事者にする。
②常に最上位目標に立ち返る。
③誰ひとり取りこぼさない。全員がOKな策。
④多数決はなるべく使わない。
⑤行動こそに価値がある。
いくつか気になった点を挙げてみたが、変わるべき組織に身を置く立場としては上記①②⑤の3つを実践していきたいと思った。
Posted by ブクログ
サービスを「してあげる」学校が
良い学校という考え方、どうにかしたいです。
「心か行動か」「真面目に生きる」のコラムは
子どもたちに語りたいと思いました。
工藤氏は、どの本でも
概ね同じことを言っています。
それは「一貫している」ともとれるし
「読むのは一冊で良い」ともとれますね。
Posted by ブクログ
新米校長として、校長の役割を自分の中で固めるために読んだ本。総監督でありマネージャーであり、演出家であるという自分の感覚を後押しする内容だった。変革前提ではなく、何を目指すかの上位理解か必要ということに得心。
Posted by ブクログ
著者の「学校の「当たり前」をやめた。」を拝読した時、自分と同じベクトルの人がいる、いやとんでもなく遥か先を行っている人がいると、非常に感銘を受けたことを覚えている。それ以来彼の著作は全て読み、勤めている学校で実践しているところである。
今作は、「校長」とタイトルにある通り、校長目線で教育を捉えている。これまでの作品とは異なり、工藤氏が経験し、考え、実行してきたことが細かく書かれているので、いつも以上に奥が深く、彼の凄さが際立っている。少しでも工藤勇一先生に近づけるよう、インプットとアウトプットを続けたい。
Posted by ブクログ
とある管理職(候補含む)や指導主事に向けた研修会で講師として招かれていたときに初めて存在を知り話を聴いた(というか聴かされた)。
本書でも書かれているとおり、著者の実力は間違いなくトップレベル。「最上位の目標として、誰一人置き去りにしない」という教育理念も素晴らしい。
でも、この人をいわゆるウチの教育行政の中核を担う研修会で呼んだとて、ウチの市の教育内容がドラスティックな変貌を遂げるどころか、変わらずそのまんまである。つまり、ウチの市では影響力は皆無であったと言っても過言ではないと思う。
そういう感想と同じ感想が、この1冊を読んでいて率直に感じたことである。
教育現場に「スーパー・ティーチャー」はいらないと言っている本人がスーパー・ティーチャーなのだから、致し方ないかと(笑)
批判的なレビューだが、この本で書かれている理念は本当に素晴らしいということは、念を押しておきたい。知らんけど。