あらすじ
「館」×「孤島」×「特殊設定」×「百合」!
孤絶した楼閣=密室で起きた「絶対不可能殺人」
最侠のヒロインは、最愛の師の「死の謎」を解くことができるのか!?
選考委員絶賛!
第67回江戸川乱歩賞受賞作
綾辻行人「論理的に真相を解き明かしていくスタンスにはブレがなく、スリリングな謎解きの演出も◎」
京極夏彦「南宋の密室という蠱惑。武侠小説としての外連。特殊設定ミステリという挑戦。愉しい」
湖に浮かぶ孤島で、武術の達人・泰隆が遺体となって発見された。三人の武侠を招き、うち一人に「奥義」を授けるとしていた矢先のことだった。孤絶した楼閣は、特殊な武芸を身につけた彼らをもってしても侵入は不可能にみえる。泰隆の愛弟子・紫苑は、姉妹以上の絆で結ばれた恋華とともに、その謎に挑む!
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Posted by ブクログ
「星くずの殺人」の桃野先生のデビュー作。
1000年前を舞台に武侠の達人が密室で殺害されてしまった事で始まるミステリー作品。
ミステリーだけではなく、女性同士の恋愛や武侠に関わるアクション描写、物語の背景にある歴史的な背景など多くの面から楽しめる作品だと思いました。不器用ながらも血の繋がらない者への愛情や、復讐への惑い、それぞれの優しさなど、交錯していく思惑が複雑に絡み合っていて、それが綺麗に終盤にかけて回収されていく所がとても面白かったです。最後の描写がどうなってしまったのか分からないところが少し惜しい点かなと思いました。恋華と紫苑の恋仲がどうなったかなどの所も描いて欲しかったと想いました。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
蒼紫苑:小松未可子
梁恋華:安野希世乃
梁泰隆:中田譲治
蔡文和:小山力也
楽祥纒:松本梨香
為門:立木文彦
Posted by ブクログ
ミステリではない!武侠小説の入門みたいな感じで読むのが良いのかも!
良かった点
・読みやすい、武侠小説の専門用語も少なめで、でも世界観は伝わる良い塩梅
うーん、、、な点
・推したいポイントが渋滞してて、読み終わると、どれも中途半端にしか印象が残らない
文章がとにかく読みやすかったから、武侠小説に馴染みがなくても難なく読めた。だからこそ、もっと長くなっても良いから推したい要素(館、特殊設定、孤島、百合)を固めて欲しかった。あと、最後も武侠小説のテンプレみたいな終わりよりは、紫苑たちのその後をもっと見せて欲しかった。紫苑と恋華は飯店の女二人としても、祥てんたちのその後も知りたかった