【感想・ネタバレ】老虎残夢のレビュー

あらすじ

「館」×「孤島」×「特殊設定」×「百合」!

孤絶した楼閣=密室で起きた「絶対不可能殺人」
最侠のヒロインは、最愛の師の「死の謎」を解くことができるのか!?

選考委員絶賛!
第67回江戸川乱歩賞受賞作
綾辻行人「論理的に真相を解き明かしていくスタンスにはブレがなく、スリリングな謎解きの演出も◎」
京極夏彦「南宋の密室という蠱惑。武侠小説としての外連。特殊設定ミステリという挑戦。愉しい」

湖に浮かぶ孤島で、武術の達人・泰隆が遺体となって発見された。三人の武侠を招き、うち一人に「奥義」を授けるとしていた矢先のことだった。孤絶した楼閣は、特殊な武芸を身につけた彼らをもってしても侵入は不可能にみえる。泰隆の愛弟子・紫苑は、姉妹以上の絆で結ばれた恋華とともに、その謎に挑む!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

面白かった。舞台設定が中国の南宋時代と斬新。時代にあった情景描写や人物描写ができている。そこで本格ミステリが成立しているのがすごい。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

13世紀の宋を舞台にした、武侠×特殊設定ミステリ。複雑な時代背景と、武術が持つ超人的な能力を基にした謎解きは新鮮だった。特殊設定ミステリの新たな可能性を広げた作品でもあると思った。

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2025年03月07日

Posted by ブクログ

二つ名を持った江湖の住人達が飲み食いしたり気を放ったりする南宋武侠百合サスペンスだった。とても充実した。
エピローグで国破れて百合あり、ってなる展開になるはずが南宋が豊か過ぎるせいでなかなか滅ばないのが面白かった

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

桃野雑派『老虎残夢』講談社文庫。

第67回江戸川乱歩賞受賞作。

南宋時代の中国を舞台にした一種のクローズドサークル・ミステリーであるが、個人的には苦手な同性愛で味付けされているのが気に食わないなと思ったのだが、同性愛には重要な意味があったのだ。

まさかの壮大な展開に驚愕の結末。練りに練られた素晴らしいミステリーだ。


八仙島の湖に浮かぶ孤島で八仙楼という名の道場を開く『碧眼飛虎』と呼ばれる武術の達人・梁泰隆は23歳の蒼紫苑を一番弟子に取り、家族を惨殺された17歳になる恋華を養女にして暮らしていた。紫苑と恋華と女性同士ながら互いに惹かれ合い、師父の娘と弟子との禁断の恋と知りながら、泰隆には内緒で愛し合っていた。

ある日、泰隆は紫苑に島の外から3人の武俠を呼び、その中の1人にだけ奥義を授けると告げる。泰隆の元で18年間に亘り修行を積んだ紫苑が奥義を授かる資格が無いのには、ある理由があった。

さっそく、海幇の文和、女性事業家の祥纏、僧侶の為問という泰隆と縁のある3人の武俠が八仙島に来て、雪の夜に屋敷の中で宴会が開かれる。3人の武俠と紫苑、恋華はそのまま屋敷に泊まり、泰隆だけが軽功という技で湖面を渡りながら、孤島にある八仙楼に帰る。

翌朝、唯一の船が八仙楼側にあることを不思議に思いながら、紫苑と3人の武俠が八仙楼を訪ねていくと、泰隆は毒を盛られ、腹を匕首で刺されて死んでいた。

一体誰が孤島の中で武術の達人である泰隆に毒を盛り、匕首で刺し殺したのか。泰隆が伝えようとした奥義の正体とは。

定価869円
★★★★★

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2024年02月29日

Posted by ブクログ

中国が舞台の歴史ミステリーもの。中国の歴史に明るくなくても内容が理解はできるように書かれているのでありがたい。
中国が舞台なので登場人物の名前が覚えづらい面はあるが主要人物は多くはないので問題なく読めたのも更にありがたい。

ネットで「百合に挟まる男」という言葉があるらしいが言いたくなる気持ちが少し分かるシーンがある。二人の間に割って入らないで。あっち行け。
最後はちょっと泣いた。二人にはどうか幸せになって欲しい。

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2024年08月26日

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ネタバレ

「星くずの殺人」の桃野先生のデビュー作。
1000年前を舞台に武侠の達人が密室で殺害されてしまった事で始まるミステリー作品。
ミステリーだけではなく、女性同士の恋愛や武侠に関わるアクション描写、物語の背景にある歴史的な背景など多くの面から楽しめる作品だと思いました。不器用ながらも血の繋がらない者への愛情や、復讐への惑い、それぞれの優しさなど、交錯していく思惑が複雑に絡み合っていて、それが綺麗に終盤にかけて回収されていく所がとても面白かったです。最後の描写がどうなってしまったのか分からないところが少し惜しい点かなと思いました。恋華と紫苑の恋仲がどうなったかなどの所も描いて欲しかったと想いました。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
蒼紫苑:小松未可子
梁恋華:安野希世乃
梁泰隆:中田譲治
蔡文和:小山力也
楽祥纒:松本梨香
為門:立木文彦

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2024年08月11日

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私は本書にて「武侠小説」なる存在を初めて知った。ただ、本書は武侠小説を基軸としているが、なかなか盛りだくさんな設定を詰め込んでいるハイブリッド小説でもあった。しかし、この小説を機に武侠の世界に身を委ねるのも悪くない。そう思わせてくれた良き物語との出逢いだった。

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2024年06月01日

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江戸川乱歩賞受賞作!
その名に恥じない作品でした!!

特殊設定ミステリー之新たな挑戦!?

武侠の要素を上手く取り入れた傑作!!

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2024年03月28日

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中華本格ミステリーで第67回江戸川乱歩賞受賞作!
自分は中国の歴史について、知識が乏しいので、内容に没頭できたかと言われたら、ビミョーでした。
しかし、少ない容疑者でもたくさんの仕掛けがあって真実が予想できませんでした。

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2025年10月30日

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ネタバレ

ミステリではない!武侠小説の入門みたいな感じで読むのが良いのかも!

良かった点
・読みやすい、武侠小説の専門用語も少なめで、でも世界観は伝わる良い塩梅

うーん、、、な点
・推したいポイントが渋滞してて、読み終わると、どれも中途半端にしか印象が残らない


文章がとにかく読みやすかったから、武侠小説に馴染みがなくても難なく読めた。だからこそ、もっと長くなっても良いから推したい要素(館、特殊設定、孤島、百合)を固めて欲しかった。あと、最後も武侠小説のテンプレみたいな終わりよりは、紫苑たちのその後をもっと見せて欲しかった。紫苑と恋華は飯店の女二人としても、祥てんたちのその後も知りたかった

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

密室×武侠×百合。
登場人物の名前は読みづらいが人数が少ないので整理がしやすい。江戸川乱歩賞受賞作ということでデビュー作を読ませていただいたのだが、先が気になりぐんぐん読めた。
特殊設定ミステリではあるものの、武侠物としての概念が特殊な設定になっているだけで、意外とすんなり世界観に馴染める。
物語の舞台となる宋という時代や敵国の金国など、あまり知らないことを学ぶきっかけになったし、何より面白かったので、次作も期待している。

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2024年02月25日

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