あらすじ
獣医資格があるばっかりに、一切異動ナシ。限りなく豊かでユニークな人生を歩んだ東大の名物研究者が生物の楽園を愛情たっぷりにご案内。2万年前のハブは今の2倍の大きさ? 30年生きた例も? クロウサギの素顔とは? 世界自然遺産を軽妙に味わい尽くす面白蘊蓄エッセイ。【推薦 山極壽一&解説 養老孟司】
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Posted by ブクログ
とても読みやすい本。絵も大変お上手だ。
ハブの研究の話が半分以上を占めるが、それだけ奄美にハブがいる、ということだ。ハブとの戦いもしくは共存があるから、40年も奄美にいることになったのだろう。
写真は白黒だったが、ハブに噛まれてパンパンに腫れた足が写っている写真が掲載されていた。これはカラーだったら、目を背けたくなるものだったのではないだろうか。白黒でも少し背筋が寒くなった。木の上からもハブが来ることを考えたら、本当に注意するしか方法はないのだろう。
まったく関係のない話だが、ハブを一匹捕まえるごとに報奨金が支払われるという。そして小遣い稼ぎ?でハブを捕まえる人がいるという。1メートルを超える大蛇になるハブもいるが、1匹いくら、なので小ハブを詰め込むほうが稼ぐにはコスパが良い。それでケースに沢山の小ハブを詰めて持ち込む人がいるという。ハブにはこれが認められるのに、ヒグマだと嫌がらせをする人がいるのはおかしい、を私は感じる。どちらも人間には害を与える存在ではないか。どちらも命懸けなのだから、ヒグマを捕らえて嫌がらせを受けるのは理不尽なのではないだろうか。「小さくても命」なんでしょう?と皮肉を言いたくなる。
奄美の以前の選挙の話も怖かった。私にとってはハブより怖いかもしれない。今はそんなことはない、ということだが、政治をそこまで身近に感じないでいられるのは都会の特権?なのだろうか。
私の母は鹿児島の離島出身だが、灰汁巻きの写真を本書で見たときは懐かしく感じた。