あらすじ
泣きたいあなたへ。心ほぐれる“恋味”小説。
自分の容貌に強烈なコンプレックスを抱く28歳の日向桐子は、人目に触れぬよう外では常にマスクと眼鏡を身につけて暮らしている。「優しい料理」のサービスに力を入れる単身高齢者向けマンション『みぎわ荘』でも、桐子は職場の人間関係をうまく築くことができない。もう辞めよう、そう思っていた桐子の前に現れたのは、72歳の不良老人・匙田譲治だった。小粋な江戸弁で話す匙田に連れてこられた「居酒屋やぶへび」で、大雑把ながら手際よくつくられた温かい料理と、悩み多き人生を懸命に生きる心優しい人々との対話を通じ、桐子の心は少しずつほぐされていく。
第1回「日本おいしい小説大賞」受賞作、待望の文庫化!
主人公の意外な素顔に、きっとあなたも騙される。
無骨だけど温かい、年上男性がつくるおいしそうな料理たちの描写が、傷つき疲れた心に心地よく沁みること間違いなし。泣きたいあなたへ、この冬イチの温かさをお届けします。
※この作品は単行本版『七度笑えば、恋の味』として配信されていた作品の文庫本版です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
初め、桐子が顔を隠している理由を「どっち」なのだろうと思いながら読み進め、
『嗚呼、そっち側の人か…』と思ってしまった自分は、桐子とは真逆のコンプレックスを持っているのだな。と思わず苦笑してしまったけれど、
桐子に降りかかった災いを知ると無理もないなと思った
同情とは違うけれど
なんだろう、勝手に「ワタシで良かったら全然話聞くし!!」と…
その美貌を自分の個性そして強みとして受け入れ、ちゃんと『恋』が出来るようになって良かったなと
桐子が、麦ちゃんが、祥太郎くんが素敵な人生を歩めたらいいなと思った。
ただ、圭一はちょっと理解し難いかもしれないもうちょい読めばきっと圭一も心とか考え方が変わるかもと思ったけれど、圭一の変化と桐子の変化のスピードに差があったんだろうな。
多分こういう人はまた同じような事繰り返しちゃうんだよね。と思っちゃった自分はやっぱりちょっとイジワルなのかもしれない。