【感想・ネタバレ】TIMELESS(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

うみは、ひとを好きになれない。アミは、好きなひとと子供をつくるのがこわい。お互い恋愛感情をもたず、交配の約束だけして結婚した。やがてうみが妊娠するとアミは去り、父親不在のまま息子のアオは17歳になった――。高校の教室、修学旅行の広島、江姫を弔う六本木、鰯売りの声が響く銀座カルティエ。人びとが結びつき織り成した時間の地層が、今生を生きる心の縁(よすが)となる、圧巻の長編。(解説・江國香織)

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Posted by ブクログ

静かな雰囲気がとても好みでした。
情景よりも心情に重きを置いた作品で、時間や空間を行き来する不思議な感覚。とても丁寧なのにどこか靄がかかったような表現、夢か現か判別つかないような、不思議な描写に圧倒されました。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

雑誌かどこかで紹介されているのをみて、ふと、読んでみようと思った本。装丁が綺麗で。
最初、アミが男じゃなくて女の性別で、女性同士の結婚?と思って読み進めていたけど、アミはちゃんと性別が男だったと知って、あ、そうか、とそういう体で読んでいけた。
途中、アミとうみの息子のアオからの目線のお話に変わるけれど、場面が不思議な世界(夢?現実?)に飛んだりして、そういうお話はあまり読んだことがなかったので新鮮だった。
最後、アオがアミに会いたいと言ってご対面になるのだけど、その際に、なぜアミが子供が産まれる前に失踪したかがなんとなく伝わってきた。はっきりと書かれている訳ではなかったけど、うみはずっと誰も好きにならないを通していけたけど、アミはうみの事を好きになってしまったんだな、と。なので、独特の切なさに包まれた。そうかあ・・ って。
でも私はどっちかというとうみ寄りの考えなのかもしれないな。最初は熱い気持ちをもってても、そのうちなんとなく冷めてきてしまう。
朝吹さんの文章は江國さんの文章を読む感じに似ているのかなと読み始めは思っていたけど、また違った。透明で高貴な飲み物を飲んでいる、冷たくひんやり綺麗にのどを通っていく。そんなイメージがする文の紡ぎ方をする方だと思った。

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2024年03月22日

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