【感想・ネタバレ】死んだ動物の体の中で起こっていたことのレビュー

あらすじ

コロナ禍のステイホームで急増したペット需要。
ネット上に拡散される野生動物との触れ合い動画の数々。

容易く供給される「かわいい」「癒される」のその先に、病気や事故、そして決して避けられぬ「死」があることを、私たちはどのくらいちゃんと理解できているでしょうか。

――動物も生きている限り、死に至る。
それは、ごく自然の営みの中で起こることが大半ですが、ロードキルや誤飲、中毒、寄生虫やウイルスへの感染、栄養不足、虐待や飼育放棄といった、直接・間接的に人間が関わっていることもあります。

そのことに目を背けず、「かわいい」だけではない動物たちの現実を知るということ。

本書は、「死んだ動物を診る」病理学専門の獣医が、遺体と向き合う日々の中で学んだこと、感じたこと、最後の診断で聴いた動物たちからのラストメッセージを綴ったエッセイ。
起きた出来事をただ嘆くのではなく、たくさんの「生」につなぐために−−「命」への希望と責任を問う一冊です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

いままで知らなかった動物の死に関わるお仕事の話が知れて、興味深い内容でした。

動物を飼う責任、愛情だけでは育てられない、
とても大切で、当たり前だけど、
難しいことがたくさん書かれてました。
うちも猫2匹飼っていて、
本当にたくさん考えさせられました。
これからも大切にしていきたいです。

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

とても好きな本だ。動物が生きていたときの痕跡を、その遺体が持っている。確かに動物の「死」を真摯にまなざすものは日本語のものだとかなり少なく、それに違和感があった。死というイベントを動物たちにどのように意味づけ、ひとはどう受け止めていくべきか、淡々としつつ、とてもあたたかくまじめな心で著している。動物を愛する人皆に知ってほしい、著者の活動でもある。

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2024年07月19日

Posted by ブクログ

動物を飼うことの責任を再確認させてもらいました。

「亡くなった動物とはもうこの世で触れ合うことはできないけれど、彼らはまだ生きている」

昨年、長男猫を亡くしたせいか
この言葉が心に沁みました。

動物を飼っている全ての人に読んでもらいたい
とても為になる本です。


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2024年04月26日

Posted by ブクログ

獣医病理医、という職業を初めて知った。
亡くなった動物たちの死因を知ることは、
感染症や病気の原因を知るのに、大切なんだと実感した。

動物病院にかかると、あらゆる治療や薬が施され、
ペットフードにしても、たくさんの療養食があり、
愛する家族の一員であるペットは長命になっている。
動物医療の進歩はすごいと思う。

亡くなった動物を「遺体」として、真摯に扱う姿に、動物の命を大切に思う気持ちが伝わる。

ペンギン、象、絶滅危惧種、エキゾチックアニマルと、どんな生き物も躊躇せず丁寧に向き合う著者はすごい。
「死」を知ることで、人とどう共に生きるのか、「生」を知ることになる。

これから獣医師を目指す若者や、動物好きな若者にぜひ、読んでほしい。

興味本位で、ただ、「かわいい」「いやされる」だけの自分本位の考えで無く、「お互いが快適に暮らせる」ことをきちんと考えるべき。

猫を飼っているが、「家の中に閉じ込めてかわいそうかも?」という疑問に答えが見つかった気がする。
我が家にやってくる猫たちをどうにか保護しているが、そろそろキャパオーバーなので、野良猫がいなくなることを切に願う。

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

作中で飼い主の無知による死を何度か目にするたびに、動物を飼うにはその生き物について知ろうとする姿勢が大事なのだと感じました。

わたしは家族の一員としてうさぎを何匹かお迎えしたことがあったのですが、やはり犬や猫とは気をつけるべき点が違います(例えばごはんを食べる量が少ないと腸内にガスが溜まって腸閉塞を引き起こしてしまう等)。
動物それぞれに適切な飼育環境があり、エキゾチックアニマルはまだ分かっていない事も多いため、飼うのが難しいのはものすごく同意しました。

著者が作中で述べていた「動物死因究明センター」ができ、
またその様々な死因を同じ動物を飼っている、または飼ってみたいと思っている多くの人々に届けられれば、不幸な思いをする動物や飼い主を減らせるのではないかと思います。

この本を読んで初めて獣医病理医について知った端くれ者ですが、微力ながらも著者の活動を応援していきたいです。

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2025年02月25日

Posted by ブクログ

人間を対象とした病理学や法医学の本は数多くあるが、この本は動物を専門とする病理獣医師の本で、さまざまな動物の遺体にまつわるエピソードが読める点が面白い。文体も平易ながら読み応えがあり、病理獣医師の仕事ぶりには好奇心をくすぐられる。小学生から社会人までオススメ出来る本だと思う。
犬猫だけでなく、エキゾチックアニマルの話も盛りだくさん。自分はエキゾチックアニマルを飼育しているのだが、そういった非主流派の動物についても分け隔てなく紙面が割かれていることに嬉しさを感じた。

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2024年09月14日

Posted by ブクログ

獣医病理医という職業があることも、その意味も、初めて知った、小さい頃から犬がいる環境で育ってきた自分でも、まだまだきっと知っておかなきゃいけないことがあるんだなと思った、そしてSNSで流れてくる動物たちに対する自分の見方もこれから変わっていくんだろうなと、ありがとうございます。初めて聞く専門的な言葉が多いけれど、分かりやすく言い換えていたり、読みやすかった、ペットを飼ってる人、飼いたい人はもちろんだけど、子供から全ての人にオススメしたい。

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2024年08月30日

Posted by ブクログ

獣医病理医の存在を初めて知った。考えてみれば、人間と同じように動物の死因を調査するために剖検を行う人がいるのは当然なのだが、具体的な存在としてイメージが及んでいなかった。

死から学ぶことで、生をより良いものにする。人間も動物も変わらない。うちで飼っている猫が死ぬことは想像したくないが、生き物は必ず死ぬ。私も死ぬ。死から学べるものがあるなら真摯に学びたいという著者の思いは、共感できるものだった。

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2025年04月13日

Posted by ブクログ

獣医病理医という分野があることすら知らなかった。
動物に関わる職業を希望する若者などにお勧めしたいと感じた。

我が家で亡くなった小さな家族の事を思い出しながら読んだ。

言葉で伝えられない全ての動物たちが、健やかに過ごせる様にと思いました。

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2024年08月05日

Posted by ブクログ

著者は獣医病理医。病理医は、試料を顕微鏡で観察して病気を診断したり、遺体を病理解剖して死因を調べたりするお医者さんのこと。著者の場合は、その対象がヒトではなく、動物全般である。
前著(『獣医病理学者が語る動物のからだと病気』)をおもしろく読んだので、近著も読んでみた。

ペンギンの胃癌。
アフリカゾウの解剖。
リスザルの連続死。
正体不明の謎の死体。
エピソードの数々は、獣医病理医の著者にとっては「日常」なのだろうが、読者にとっては聞いたこともないようなびっくりする話も多い。
普通の人はアフリカゾウの解剖を見ることはないだろうが、へぇ珍しい、楽しそう、では済まないすさまじさである。
また、物言えぬ動物の診断はヒトにも増して難しい。一見、ありふれた病気だったとしても、思い込みから結論を出すのは病理医としってはあるまじきこと。慎重に判断し、検査を行い、仮説を確かめる。このあたりはちょっとしたミステリのようでもある。その結果、さらなる連続死を抑えられたと思われるケースもある。

著者に病理診断を頼む依頼人の多くは、動物病院や動物園・水族館などの臨床獣医師なのだが、飼い主が自身のペットの病理解剖を頼む例も少しずつ増えてきている。
かわいがっていたあの子はどうして死んでしまったんだろう。自分が何か悪いことをしてしまったのだろうか。
そんな切実な思いが透けて見える。
よかれと思ってしていたことが、実はペットの寿命を縮めていたことが判明することもあるのだが、著者はそれを飼い主にきちんと伝えることをモットーにしている。そうした積み重ねが不幸な動物を救う一助になると信じて。

昨今、変わった動物、いわゆる珍獣(エキゾチックアニマル)を飼う人も増えているが、なかなか難しい問題も多い。彼らがペットになってこなかったのは、それなりの理由があるわけである。餌が変わっている、なかなか人に慣れない、あちこちに糞尿をする、凶暴性があるなど。特性をよく理解せずに飼うと、人も動物も不幸である。そんな実例もいくつか挙げられている。

死んだ動物を調べることは、「死」を知ることであるが、同時に「生」を知ることでもある。
死んだ彼らの声なき声を拾い上げ、いま、そしてこれから、動物と人のよりよい関係に向け、動物の死から学べることを皆に伝えていくこと、それが著者の姿勢である。

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2024年06月24日

Posted by ブクログ

臨床獣医師として出会った遺体(動物)を通して見えてくる現代社会。
動物園や水族館などからの依頼で解剖する遺体もあれば、大切なペットの死因が知りたいと依頼されることもあるという。自分の大切なペットは苦しんだのだろうか…。人間社会の犠牲になったとも言える動物たちについて考えさせられる。
最後に取り上げられている学習塾の生徒たちのケースは、すごいなぁと思った。

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2024年07月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者は獣医病理医。
依頼があればどんな動物でも病理解剖、病理診断をするそう。
リスざる、ペンギン、猫、ハムスターなどなど。
個人の飼い主からの依頼も多いようで、その話も。
動物を飼うということが、どういうことなのかが
新しい視点から語られているように感じた。
家でペットを飼っている人におすすめ。

私は買っていないので、いまいち実体験を伴った感想は言えないのだが、最後のほうで触れられている、塾の子どもたちからの依頼については、良いと思った。
京都の塾で、子どもたちが有精卵から鶏を育てたが死んでしまい、解剖を依頼したというもの。
出張解剖で子どもたちといっしょに作業をした。
結果は、餌が不適切だったというもの。
ずっと小松菜を与えていたが、栄養不足で死んでしまった話。

科学は素晴らしい。

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2024年02月10日

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