作品一覧

  • 死んだ動物の体の中で起こっていたこと
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    コロナ禍のステイホームで急増したペット需要。 ネット上に拡散される野生動物との触れ合い動画の数々。 容易く供給される「かわいい」「癒される」のその先に、病気や事故、そして決して避けられぬ「死」があることを、私たちはどのくらいちゃんと理解できているでしょうか。 ――動物も生きている限り、死に至る。 それは、ごく自然の営みの中で起こることが大半ですが、ロードキルや誤飲、中毒、寄生虫やウイルスへの感染、栄養不足、虐待や飼育放棄といった、直接・間接的に人間が関わっていることもあります。 そのことに目を背けず、「かわいい」だけではない動物たちの現実を知るということ。 本書は、「死んだ動物を診る」病理学専門の獣医が、遺体と向き合う日々の中で学んだこと、感じたこと、最後の診断で聴いた動物たちからのラストメッセージを綴ったエッセイ。 起きた出来事をただ嘆くのではなく、たくさんの「生」につなぐために−−「命」への希望と責任を問う一冊です。

ユーザーレビュー

  • 死んだ動物の体の中で起こっていたこと

    Posted by ブクログ

    獣医病理医、という職業を初めて知った。
    亡くなった動物たちの死因を知ることは、
    感染症や病気の原因を知るのに、大切なんだと実感した。

    動物病院にかかると、あらゆる治療や薬が施され、
    ペットフードにしても、たくさんの療養食があり、
    愛する家族の一員であるペットは長命になっている。
    動物医療の進歩はすごいと思う。

    亡くなった動物を「遺体」として、真摯に扱う姿に、動物の命を大切に思う気持ちが伝わる。

    ペンギン、象、絶滅危惧種、エキゾチックアニマルと、どんな生き物も躊躇せず丁寧に向き合う著者はすごい。
    「死」を知ることで、人とどう共に生きるのか、「生」を知ることになる。

    これから獣医師を目指す

    0
    2025年03月28日
  • 死んだ動物の体の中で起こっていたこと

    Posted by ブクログ

    作中で飼い主の無知による死を何度か目にするたびに、動物を飼うにはその生き物について知ろうとする姿勢が大事なのだと感じました。

    わたしは家族の一員としてうさぎを何匹かお迎えしたことがあったのですが、やはり犬や猫とは気をつけるべき点が違います(例えばごはんを食べる量が少ないと腸内にガスが溜まって腸閉塞を引き起こしてしまう等)。
    動物それぞれに適切な飼育環境があり、エキゾチックアニマルはまだ分かっていない事も多いため、飼うのが難しいのはものすごく同意しました。

    著者が作中で述べていた「動物死因究明センター」ができ、
    またその様々な死因を同じ動物を飼っている、または飼ってみたいと思っている多くの人

    0
    2025年02月25日
  • 死んだ動物の体の中で起こっていたこと

    Posted by ブクログ

    いままで知らなかった動物の死に関わるお仕事の話が知れて、興味深い内容でした。

    動物を飼う責任、愛情だけでは育てられない、
    とても大切で、当たり前だけど、
    難しいことがたくさん書かれてました。
    うちも猫2匹飼っていて、
    本当にたくさん考えさせられました。
    これからも大切にしていきたいです。

    1
    2024年08月31日
  • 死んだ動物の体の中で起こっていたこと

    Posted by ブクログ

    とても好きな本だ。動物が生きていたときの痕跡を、その遺体が持っている。確かに動物の「死」を真摯にまなざすものは日本語のものだとかなり少なく、それに違和感があった。死というイベントを動物たちにどのように意味づけ、ひとはどう受け止めていくべきか、淡々としつつ、とてもあたたかくまじめな心で著している。動物を愛する人皆に知ってほしい、著者の活動でもある。

    1
    2024年07月19日
  • 死んだ動物の体の中で起こっていたこと

    Posted by ブクログ

    動物を飼うことの責任を再確認させてもらいました。

    「亡くなった動物とはもうこの世で触れ合うことはできないけれど、彼らはまだ生きている」

    昨年、長男猫を亡くしたせいか
    この言葉が心に沁みました。

    動物を飼っている全ての人に読んでもらいたい
    とても為になる本です。


    1
    2024年04月26日

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