【感想・ネタバレ】豚は飛んでもただの豚?のレビュー

あらすじ

元不良でこの春から高校生になる真宮逢人は、バイト先から逃走する食い逃げ犯を追いかけていた。逃げられそうになったところを、ポニーテールの美少女・藤室綾の純白の……――ではなく、ハイキックに助けられる。真宮はその日から、綾のことをなぜか忘れられずにいた。高校の入学式当日、真宮の席の目の前には、見覚えのあるポニーテールが揺れていて、思わぬ再会を果たす。さらに、バイト先には綾の妹・瑞姫までやってきて、新しい日々が始まる予感。そんなある日、真宮は瑞姫から「綾姉のこと気になるんでしょ?」と告げられ――。第7回新人賞〈最優秀賞〉受賞作・元不良の少年と美少女三姉妹が織り成す、青春×初恋×ぽんこつストーリー堂々開幕!!

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Posted by ブクログ

前向きな青春恋愛ものとライトノベルの中間みたいな作風と文章と
どちらも好みでどう褒めたら良いか困る

P66より引用
 豚は飛んでもただの豚だろ、と真宮は思う。たとえ努力して飛べるようになったところで豚である事実は変わらず、豚であった過去も飛べなかった過去も消えるわけではない。端から見れば豚のままだ。他の豚との違いなんてありゃしない。たとえ飛べて変わった気にはなれたとしても、本当に変わることなど不可能だ。
 真宮は自分の足元を見る。足を上げ、靴の裏を見る。そうしてまた足を戻した。
 根は張っていなかったが、たとえ跳んでも同じ場所にしか着地しない気がした。

言っていることに感心するのでなく後半2行に対しての表現が素晴らしい
飛ぶと跳ぶの使い分けとかどうでも良いようなところが大切だ

P243より引用
 がんばろうぜ、か。助かるな、これも。ありがてえ。
 そこにはちゃんと「自分」も「相手」もいる気がした。自分が「がんばる」でもなく、相手に「がんばれ」でもなく、一緒に「がんばろうぜ」。そういうものだと真宮は感じた。本当のところはどうかなんて知らない。聞こうとも思わない。自分がそう感じ、そう受け取ったのだから、そうなのだ。
 真宮はがんばろうと思った。具体的に何をかわからなかったが、おそらく何もかもを。とりあえずは今日を、がんばろうと。

いちいち言い回しが素晴らしい
同じ内容を言うのは青春という書き手も読み手も誰もが通る過程で思うことだが
それをここの一行目のように書きかく表現するのは難しい

作者のひとはなんでライトノベルなんだ
さらになぜゆえよりによってMF文庫に送ってしまったんだ
あまりに畑違いだ
とはじめ思ったが
既存のライトノベルではどのみちどこだってたいして違いはないし
ガガガ文庫あたりなら違ったかもしれないが弱小で埋もれるよりましだし
(まあ『わたしたちの田村くん』を出せる電撃文庫なら問題ないだろうけれど)
この作者ならどこで書こうと大成は間違いない
(注記:願望である 間違いないといって間違いのないことなどあまりないことに注意)
なんでも受け入れるライトノベルにきたのはまちがいでなかったのかもしれない

MF文庫は去年の『変態王子』と2年続けて傑物引き抜いてすごいが
おなじ「中高生を主人公とした恋愛喜劇というジャンルのライトノベル」(うん間違ってない)でも
方向の180°違う両端鋭角をきちんと評価しているのが
勢いだけではないところか

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2018年12月09日

Posted by ブクログ

おかしい、どう考えても主人公が一番かわいいw
いわゆるテンプレとしてのラブコメラノベがあるとすれば、これはその逆をいっている感じがする。まぁ女性視点のものならそういうことは珍しくないと思うのだけど、男性視点のままラノベに適用されてるというか。面白い。すげー先が楽しみ。
あと、学園モノで白身魚さんの絵は反則だなw

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2011年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

喧嘩に明け暮れていた元不良少年がボクシングをする様になってから姿勢を改めたが
過去の悪評と愛想の悪い言動で人付合いに乏しい。
それがバイト先で起こった事件で、高校で同級生となる少女と知り合います。
少女は三つ子の長女で、妹たちも同じ学校に通っており、後に知り合う事になります。
彼女達には太って眼鏡を掛けている外見とは裏腹に格闘に強い妙な少年の幼馴染みがおり、
他愛のない誤解から少年・真宮は豚少年(^_^;とボクシングで対決する事になります。
その時の勝負を唆したのが三つ子のポニテ少女でしたが、
彼女は真宮の戦いぶりを認めた事で、真宮は初めての感覚を体験します。
それまで排他的であり、人との付き合いに興味を抱かなかった真宮が
人に認められ、自身への存在価値を見出していくのです。
そこから先はご多分に漏れず真宮はポニテ少女・綾に恋する様になりますが、
何分にも初恋であり、自覚がなかったのを三つ子の次女である瑞姫が自覚させ、
姉である綾との仲が近くなる様協力していく事になります。

話の流れとしてはとてもありきたりの展開でありますが、
文章がとてもバランスが良く、読み易いですね。
最近多くの作品に氾濫している奇を衒った形容もありませんし、
1人の少年がぶきっちょな生き方ながら懸命に、率直に前に進んでいこうとする姿に好感を持てます。
格闘好きでさっぱりとした気性の綾、普通の少女であるが普通らしい魅力を出している瑞姫、
一つの切欠となった豚少年・・・彼が即ちタイトルの豚に繋がる少年ですが、
一般的に負の印象を抱えているのに、努力をし強くなった事をして飛んだ豚と。
しかしながら飛んだからと言っても豚は豚でしかないと。その辺りも話に微妙に絡め、
真宮少年に芽生えた変化を後押ししています。
豚少年以外は一昔前にあるような青春小説なのでしょうが、
今は兎に角意表を突こうとするものが多く、それが逆にありきたりとなっているので
この様な真っ当な青春小説は却って新鮮味を覚えるかもしれません。

本巻では先ずは真宮少年が自分の気持ちに向かっていこうとする所で終わっておりますが、
続巻があるようでしたら、三つ子姉妹との関係を作者がどの様に持っていくかに興味を覚えます。
長女・綾への恋心を貫くのか、協力者である次女との付き合いで心が揺らぐのか、
まさかの三女・雲雀が接近してくるのか。次巻を待つとしましょう。

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2012年03月18日

Posted by ブクログ

確かにキャラクターは可愛かった。三つ子は可愛かった。まぁ、それだけ。話は特にって感じ。三つ子の妹二人で☆2で長女が好きなキャラなので☆2の合計☆4です。絵にホイホイされた俺が悪い。

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2012年01月24日

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