あらすじ
樫崎一は、子供の頃から感情を押し殺して生きてきた。しかしアパートの隣人・ゆきと知り合ったことがきっかけで傷害事件を起こしてしまう。社会復帰しても生きる意味を見いだせない一。そんな時再会したのが、高校時代の担任・湯原だった。わけありな赤ん坊・海を理由に乞われて始めた同居は、一に初めて家族のあたたかさをもたらしてくれた。しかし、湯原がいつか結婚するかもしれないと思うたびに一の心はざわついて…。『愛と混乱のレストラン』シリーズ番外編。ル・ジャルダン・デ・レーヴのパティシエ・一の秘めた熱い想い。
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Posted by ブクログ
甘くて痛くて切ない話。
樫崎一は、実家から距離を置いて、一人で生活していた。
そんな中、アパートの隣人と知り合ったことをきっかけに、傷害事件を起こしてしまう。
「どこにも自分の居場所がない」
と思う一に、居場所を与えてくれたのは、高校時代の担任・湯原と、まだ幼い海だった。
一緒に暮らすうちに少しずつ、家族の温かさを知っていく一だが……
という話でした。
自分が生まれてきた家族がうまくいかず、自暴自棄になっている一。
そんな一が誰かに必要とされることで少しずつ、自分が囚われていた寂しさから解放されていく話だと感じました。
そこをすごく丁寧にかける作者さんは、素晴らしい作品を作れる人だなあ……と思います。
一の寂しさがすごくすごく胸に刺さるのと、「家族」ってなんだろう? ということを考えさせられる。名作でした。
別の本のスピンオフのようですが、これだけでも十分面白く読めたので、オススメします。
Posted by ブクログ
『愛と混乱のレストラン』シリーズのスピンオフ。
そうとは知らずに本編より先に読んでしまったけど特に問題なし。
序盤は結構ひたすら鬱展開。
一がどんどん追い詰められていくのが辛くて読んでてしんどかったけど
だからこそ一に帰る場所ができた時の安堵感ったらハンパじゃない。
先生と海ちゃんと暮らす一から幸せオーラがダダ漏れてて
このへんから涙腺がおかしくなり始め(私の)
海ちゃんの天使っぷりに涙し、一と先生の過去に涙し、心通い合った幸せな二人に涙して
ラスト近くに一が先生に言った泣かせる一言で先生と一緒に大号泣。
小冊子読みたい。ギリィ…。