【感想・ネタバレ】歴史学研究法のレビュー

あらすじ

「歴史学とはどのような学問か」「歴史学はいかにして正しい結論を導き出せるのか」という問題は、現在でも常に問い直され続けている。本書では、19世紀における歴史学の進展を踏まえ、歴史学の方法論にはじまって、諸学との連携の在り方、史料批判についてなど、簡潔にして要点をついた紹介・指摘を行う。提示される方法論の実例としては、塩尻峠の合戦(天文17年)を取り上げ、各種資料を比較して事実を確定するプロセスを具体的に示した。また、本書の史学史的背景について周到な解説を付す。古典的歴史学方法論の貴重な入門書。

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Posted by ブクログ

本書は、1949年、東京大学協同組合出版部から刊行されたものだが、その元となったのは、1935年「岩波講座日本歴史」とのこと。古いと言えば古い本だが、簡潔、明瞭な文章で書かれていて、入門書としてとても読みやすかった。

 特に本書で興味深かったのは、方法的作業の実例として、天文17年の武田信玄が小笠原長時を信州塩尻峠に撃破した戦いを取り上げ、各種史料から史実(事実)を確定するプロセスを、具体的に示していくところ。
 著者の今井登志喜は長野県出身で、また郷土史『諏訪史』の編纂にも深く関わっていたことから、この塩尻峠の合戦を取り上げたらしい。

 本書では、松沢裕作氏による詳細な解説が付されており、非常に参考になる。

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2023年07月11日

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