あらすじ
「いい子にしてえらいね」とほめる、宿題は終わるまでつきそう、スマホやゲームは親が管理する…
これらはすべて、脳育て理論的には間違っています!
ベストセラー『高学歴親という病』『「発達障害」と間違われる子どもたち』の著者である小児脳科学者が、子育てのよくある誤解を紐解き、子どもの“生きる力”を伸ばすための正しい方法を解説します。
“「はじめに」より”
私が小児科医になってもはや35年以上が経ってしまいました。いろんな親子に出会ってきました。私が本当にいつも残念だと思うのは、親御さんの思いが、行動としては真逆に出てしまい、結果として子どもに全く伝わってない、どころかむしろ害悪になっていることがあまりにも多いことです。
現代の子育ての状況を見ていると、情報過多の中で理想とされる子ども像を描き、それに向かって必死に育て上げようとするけど、思ったように子どもが「動いてくれなくて」こころ折れ、結果、無駄に怒ったり悲しんだりしている親御さんが多いと私は感じます。とても閉塞して利己的な育児環境だと思います。子どもはもっとつらいです。逃げ場のない家庭環境で苦しんだ挙句にさまざまな心身症状を出します。
(中略)
本書は、現代の子育て情報過多の中で苦しんでいる親御さんが少しでも楽になって笑顔になってくれることを願ってつくりました。
ここに書いてあることを「絶対守らなければ」と思うとまた苦しくなってしまうので、「だいたいそういうことね」と思って、あとはご自分の感性に従い、社会につながる姿をできるだけ子どもに見せることを目標に、毎日の生活をつなげていってくだされば幸いです。
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Posted by ブクログ
本書は、子育て情報過多の現代において、少しでも楽に笑顔になって子育てができるようにとの著者の願いからつくられたものであるという。事例を基に、誤解→解説→ポイントとまとめられており、読みやすい構成になっている。自分自身、誤解していた事例が様々あり、気づきが多くあった。
【メモ】
○はじめに
●親は「社会の中で生きている」ことを常に考え「利他的」であることを心がける。
●社会は「おかげさまで」「ありがとう」「ごめんなさい」でできている。
●このことがからだの芯に染みついて自然に行動できる大人に育て上げることが、子育ての最終目標である。
●親が必死で見本となる行動と言葉を子どもに見せ続ける。
○各章
●誤解1:早期教育するほど賢い子になる
→脳には育つ順番があり、変わることはない。
→「からだの脳」を土台に、「おりこうさんの脳」「こころの脳」と育つ。
●誤解5:自立のため、何でも一人でできるようにする
→「誰か助けて!」と言える力、レジリエンスがあり、周囲に頼れることが重要。
●誤解6:たくさん読み聞かせすれば、賢い子が育つ
→言葉のアウトプットが大事。辛抱強く待ち、対話することで前頭葉が活性化する。
●誤解18:欲しがるものは、なるべく買ってやる
→欲しいものには、まず共感。その上でロジカルに話し合い、対話の中で「こころの脳」を育てるように意識する。
【目次】
第1章 発達への誤解
第2章 生活習慣への誤解
第3章 コミュニケーションへの誤解
第4章 「子どもと社会」への誤解
Posted by ブクログ
とにかく寝ろ!!(byテストステロンさん)の言葉を思い出した一冊。著者はiPS細胞でおなじみの山中教授の医大時代の同級生でも知られています。(共著もあります)この方は、小児科医かつご自身の事業としてたくさんの子供達の問題に関わってこられ、その知見を複数の本にしています。冒頭あるいは他の方の感想にもあるように、「すべて」納得はできないし、実現は無理ゲーなものもあると思われます。でも、その家庭でできる範囲で取り組もうとすることはやってみてもいいのかなとおもいました。
■早く寝ろ
親も子供も早く寝ることがとにかく推奨されています。睡眠時間が短いと大人も子供も悪影響が盛り沢山とのこと。大人向けだと、樺沢紫苑さんや、テストステロンさんなども睡眠の大切さを語っていますので興味がある方はこの方々の本も読んでみてもいいと思います。ただ、幼児8時就寝ってのは難しい。布団には入るけど寝ないのが我が家。塾に行っている場合は無理ゲーだけど?なお、著者の家庭では睡眠を優先し塾には行かずに中学受験。そして一浪して医学部に合格されています。
■子育ては心配を信頼に変える旅
著者の別の著作でも語られています。講演会でもお話されるキーワードだそうです。世の中、信頼に変えられない親の多いこと!!(わたしも)それは、30代息子に対してもそういう親もいるのではと周りを見て思います。小学4年になったら家の鍵をなくされるかもしれないことを覚悟して渡し、一人で帰らせる。。。あなたの子供にできますか?
■タイトルがひっかかる
「誤解」という言葉。正解があるみたいです。「人生に正解はない」とかそういう言葉もあるくらいなので子育てにも正解はないとは思います。ただ、著者はとにかく睡眠不足で心身の調子を崩した子どもたちをたくさん見てこられ、生活リズムを整えることで改善されてきたので、生活リズムを整えることは「正解」というイメージがあるのでしょう。そういう意味で本書を読み進めるのが「誤解」せず本書をよむコツだと思いました。
Posted by ブクログ
小児科医・公認心理師の著者が、子育てによくある誤解をトピックに子育てのヒントを与えてくれる本です。
育児休暇が間も無く終了し復職するタイミングで読めてよかったです。
何度も書かれている、夜8時までに子供をなにがなんでも寝かす!というのはなかなか難しいですが、これを読んで1時間はやく寝かしつけられるように行動を変えました。
もちろん、これは自分には無理だな、とか納得いかないと言う内容もありましたが
はじめににあるように、大体そう言うことねと思って、感性に従い社会につながる姿をできるだけ子供に見せることを目標としたいです。
以下、内容メモです。
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脳には、からだの脳、おりこうさんの脳、こころの脳の3つがあり、順番にバランスよく育つことが大事。
5歳までは寝ること、起きること、食べること、からだが反射的に動くことが最優先事項。
5歳までは原始人を育てる。文字が読めなくてもいい。夜寝て朝起きる生活を。躾が行き届いた子供像は期待しないこと。
乳幼児期は、8時に寝られるように。
お手伝いではなく役割分担で自己肯定感を育くむ。やらないと家族が困ると言う経験で責任感を持たせる。
電子機器との付き合い方
5歳まではさける。五感を育てる。
6-14歳は好奇心に応じて知識を溜め込む時期。適宜使い、親が実物に触れさせることも重要。
10〜18歳は自分でコントロール。一緒にルールを考えること.
子供はミラーニューロンがある。行動してほしい姿を見せること。
おかげさまで、という考え方を伝えるのが大事。
ありがとうの気持ちから、ご褒美を与えるのはOK。ただし、子どもが見返りを目的とした行動を取らないように注意。
(小学生くらい)いつもと違う様子が見られたら、何かあったの?と根掘り葉掘り効かず、早く寝ようか。と声をかけるに留める。翌日、よく寝たら今日はニコニコだね。と言語化してあげると、寝不足だと気づく。
コミュニケーションへの誤解
ここだけは譲れないと言う「家庭の軸」を立てる
生死に関わることに絞られる。
長時間のゲームは叱る必要ないが、就寝時刻を過ぎると命を削ることになるので叱る。など
ただし、寝ることが大切だと伝えるのみ。ゲームはダメ!とは言わない。
軸を脅かすこと以外は、ありのままを認めること。こんなに散らかしてよく平気だねえ。よくこんなに間違えたねえ。(嫌味に聞こえない?)
思春期の反抗期には、正論を伝えず自分で考えさせる。あいつぶっ殺したいと言ったら、えー、殺しちゃうんだー。と言う.本人は冷静になる。
子育ては、信頼を増やすプロセス。小学校中学年くらいには心配と信頼が半々に。
夫婦揃って子育ての方針を相談すること。知識が多い方に偏らないこと。
パートナーの悪口を子に言わない。ストレス発散方法を複数持ち、溜まったら早めに対処を。
親の成功体験はプレッシャー。失敗したことを伝えてあげよう。失敗しても生きている、なんとかなると言うことを知ることができる。
短時間でも脳が刺激されるじゃれつき遊びをしよう。
3〜9歳ごろのじゃれつき遊びは、前頭葉の抑制機能を育て、カッとなったりする衝動をことができるようになる。
ごめんなさいとありがとうを言うところを見せる。本人がまだわかっていなくても伝わる。
小学校中学年くらい、家での1人時間には、米を炊く、風呂をためるなど、やらないと家族が困るような役割をしてもらう。宿題はやらなくても困らないけど、これは困るので自律につながる。
学校を休みたいと言われたら、まずはうけとめる。家庭を見直して家事の役割を与えてみる。
無理して一つの習い事を続けるより、習い事以外も含めてたような刺激を与える方が良い。
子どもの選択を尊重し信頼する。
大学受験に失敗した娘に、母は忙しく、あなたは時間ができる。勉強だけすることはできないだろうから、食事係をお願い。と頼んだ。二浪の不安もあったけど、一人暮らしのスキルにもつながった。
差別や偏見をしない価値観は、多様性のある環境でこそ育つ
友だち関係のトラブルは、幼少期のうちは親同士で、いつも仲良くしてくれてありがとう。もしくはいじめてしまっているなら、ごめんなさい。
子供には、痛い目に合わせてごめんね、と代わりに謝っておいたよ。と伝える
Posted by ブクログ
そうありたいものだ、と思う内容。
ひとりっこだから出来ていることも多いなぁ。(私のキャパシティ的に。)
過保護になりすぎず、もう少し任せられるように。家族としての役割を持たせたい。
Posted by ブクログ
他の本とも被っている(高学歴親という病、という彼女の著書との内容のダブり多数)が、総じて脳を育てるには体づくりなどが大事、脳が育つには順序があるという話。
なお、この人は宿題なんかやってもやらなくても良い、だの言っているが当人は神女→神戸大医学部だし夫も研究医なので、自分のIQや勉強適性をかなり棚に上げた発言という印象。大学に行かないと選択肢が狭まる、というのは差別ではなく事実であり、高みから形だけの平等を振り翳しても響かない。娘も医学部らしいが、彼女が提唱する子育てで医学部に行けたのは遺伝的要因も大いにあるであろうことは念頭に置いておくべき。
Posted by ブクログ
成田先生の本は今まで6冊読み、これが7冊目になる。どの本もサクッと読めたが(数時間、一日以内)この本も同じように短時間で読み終わった。
内容もだいぶ重複しているが、45個の誤解が標題になっており、以下のように記されている
誤解1 早期教育するほど賢い子になる…p16
実際は、早期教育するほど賢い子になる訳ではなくむしろ成長のバランスを崩すリスクがあるとのこと
個人的には誤解よりも正解を標題にしてほしかったなぁと思う
目次は良くみるし、大事な言葉だけを繰り返し見るようにしたいなと
以上の理由により⭐3つにしました
お母さんのために色々苦労した記載がありましたが、そこの部分を読むのがちょっと辛かったです…