あらすじ
病弱だった前世の記憶を持つグレンヴィル伯爵家のヴィオラ。
不自由だった前世を取り戻すために今世では人生を楽しみ尽くすつもりだったが、
父親同士が親友だったという、王国を代表する大貴族
フィールディング公爵家の長男との結婚を決められてしまう。
氷の薔薇とも謳われる美貌の次期公爵・アルバートとの結婚は
自由を求めるヴィオラとしてはうれしくないが、病に伏した公爵の頼みは断れない。
盛大な結婚式を終え、ろくに食事もとれないまま
初夜を旦那様――アルバートと迎えるはずが3時間以上も待たされ、
しかも現れて早々に言われたのは
「……あなたに、ひとつだけ言っておきたいことがある」
「はい」
「私があなたを愛することはない」
「は?」
そちらがそのつもりなら私も自由にやらせてもらいます!
マイペースで楽しそうに過ごすヴィオラに、暗い雰囲気だった公爵家、そしてアルバートも
少しずつ変わっていくが、彼がそうなったことには理由があって――!
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泣いた
初めて読む作家さんでしたが、とんでもなくおもしろくて、一気読みしてしまって寝不足です。つらい。
前世が病人だけで終わってしまったヴィオラと、複雑な家庭環境でメンタルをやられてしまった旦那様の恋のお話。
もう2人の恋が急速に生まれて育っていくシーンは「きゃー♡」ものでした。
大変よい人がいっぱいで幸せでした。
今後はこの作家さんも推していきます!
不器用で一途な旦那様
素敵なお話でした。全てを奪われ、無くしてしまったヒーロー。一面識もない彼と結婚したヒロインは、最初はとても憤慨するのですが、彼女の怒りの行動が、少しずつ事態を動かしていて、という展開でしたが、どれだけ過酷な少年時代だったのか。彼を見守りながら、何もできないことに歯噛みしながら寄り添おうとしていた周囲の人達と、最後に笑うことができて、本当に良かったです。
シリアスとラブコメの融合
ヤンデレ一族の怖さ、すごい。執着系は嫌いじゃないけど。それを幸せと感じるかどうかは相手次第だしこのお話は過去の一族の相手が幸せだったかの描写がないからよくわからないけど好きすぎての監禁はな…ま、それで今を生きてるアルバートの性格がああなってしまって。でもヴィオラの底抜けに明るい人柄が徐々にアルバートを変えていった過程は面白かった。出来れば幸せなその後をもう少し読みたかった。
五感全てで人生を謳歌する前世病弱だったヒロイン。一方ヒーローは…。
初夜を始まりとするヒーローの態度や言動の裏には何か理由があるとわかりながらもあまりにも酷くって、こりゃ好きになれないと思ったのだが。
過去を語り、無自覚ストーカーと化してからは好感度爆上がり。
真逆の感性を持つ二人のちょっとビターな恋の行方から目が離せませんよ。