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Posted by ブクログ
ネットで見かけて。
あらら、また読んだことのある本が登場するとは。
しかもいきなり「まえがき」とは、「木曜殺人クラブ」は有名なのか。
警官でもなく私立探偵でもない一般市民が、
インターネットでの検索や情報交換、情報収集、画像分析を通じて、
身元不明の遺体の身元を探し当てたり、殺人犯の居場所を突き止めたりする。
それぞれの理由で、困難な調査の沼にはまっていくが、
最初の方に紹介されていたトッドが印象的だった。
トッド・マシューズは高校で出会った女の子から、
彼女の父親が遺体を発見した話を聞く。
遺体は19年たっても身元が分からず、テントに包まれていたため「テント・ガール」
と呼ばれていた。
彼は、話をしてくれた女の子と9か月後に結婚するが、
新婚の時からテント・ガールの身元調査に明け暮れ、
昼間は調査をして、夜工場で働く生活が続く。
収入は少なく、調査にかかる費用の負担は重くとなれば、
いかに知り合ったきっかけとはいえ、奥さんとけんかになるでしょ。
11年の調査の結果、とうとう身元をつきとめられて良かった。
娘を殺され、犯人のギャングを突き止めるべくSNSで偽サイトを作った母親の話や、
猫殺しの犯人を追ったが、捕まえられないうちに犯人が人を殺してしまう話とか、
思っていたより重い話もあったが、全体的に面白かった。
ただ、一番印象に残ったのは訳者のあとがきだった。
先日、子供が寝る時に横溝正史的な本を読み聞かせる親はいないだろと突っ込んだが、
子供を寝かしつけるために公園で首つり死体を発見した話をする母親が実在した。
その「どんぐり公園」にすべてを持っていかれた気がする。