【感想・ネタバレ】ありがとう自衛隊 ~ヒゲの隊長が綴る日本再興奮闘記~のレビュー

あらすじ

2011年3月11日に突然日本を襲った東日本大震災。そんな未曾有の事態が発生した直後から、被災地でまさしく命を賭してさまざまな救援活動を続ける自衛隊。テレビや新聞では報じきれていない現地におけるその活躍と、自衛隊員への感謝のメッセージを佐藤正久議員が綴る。 さらに自衛隊OBでもある“ヒゲの隊長”だからこそ知りうる自衛隊員の心身の驚異的な強さの秘密や、ベールに包まれた訓練内容、さらには自衛隊がもっと好きになる知られざる彼らの素顔まで完全網羅。自衛隊への感謝の気持ちと親近感が増す1冊です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「ヒゲの隊長」の愛称を持ち、イラクでの自衛隊派遣に従事。
その後は自由民主党の参議院議員として活躍する筆者が、東日本大震災での自衛隊の活動内容及び震災で明らかになった問題点、更に今後の国防のあり方について論じたのが本書である。

本書の中で佐藤氏が繰り返し訴えている事が2点ある。
1つめは「自衛隊は便利屋ではない」ということだ。
先の震災で大活躍した事に伴い、一部から(特に自衛隊の「軍」的要素を薄めたい方々から…)「自衛隊を災害対策に特化した組織にするべきである」という意見が出ている。
これを佐藤氏は「自衛隊の任務は国を守ることである」という観点から否定している。
詳細をここで載せることは避けるが、「自衛隊の存在意義とは何か」というマクロな観点と、「自衛隊がここまで厳しい訓練をなぜしているのか」という現場経験者ならではのミクロな観点で解説している。
もしも自衛隊が災害派遣に特化していたら…先の震災でこれだけの活躍ができていなかっただろうと納得してしまった。

もう一点は「国民の防衛意識を高めていく」必要があるということ。
国内外での活躍に関わらず、残念ながら自衛隊は尊敬・名誉の対象になっておらず、誤解も多い。
佐藤氏も「自衛隊には勲章がない」というフレーズを用いて、この現状を嘆いている。
また、近隣諸国との領土問題も未だに存在しているにも関わらず、そこまで意識されている問題とは言い難い。
誤解や偏見も生じている問題なだけに、これらを丁寧に解説し、改めようとしている筆者の活動には頭が下がる思いである。

と、ここまで長々と書いていったが、本書は平易な文章で書かれており大変読みやすかった。
「防衛論は難しい」とお考えの方もいらっしゃるだろうが、この内容なら予備知識なくともすんなり入っていけることだろう。
そして、自衛隊や国防に対する妙な誤解やバリアーも、すんなり解きほぐしてくれることだろう

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2012年02月01日

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