あらすじ
「いやだ!」「ノー!」と言わなければ、結局、身体がわたしたちの代わりに「ノー」と言い始めるだろう。
患者たちの語りから垣間見える、無力でストレスに満ちた子供時代。環境に自分を合わせ、生き延びるために無意識にとった戦略が病気の元となるとは……。
抑圧された感情がいかに自己免疫疾患をはじめとするさまざまな症状を引き起こすかを、患者へのインタビューを中心に“精神神経免疫学”の観点から解き明かす。
著者が患者に行なったインタビューの他、レーガン元大統領、フォード元大統領夫人、スティーヴン・ホーキング、ルー・ゲーリック、ジャクリーヌ・デュ・プレ(天才チェリスト)など有名人のエピソードも多数掲載。しっかりした医学的知見と心理学的的洞察に基づいた説得力のある一書。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
『身体が「ノー」というとき』
副題は「抑圧された感情の代価」です。
この本を一言でいうならば
科学的仏教本であるとお思います。 ←わぁ乱暴なw
作者のガボール・マテ博士は
一般開業医および緩和ケア病棟の医師として
四半世紀に及ぶ経験がある
いわゆる臨床バリバリの専門家です。
博士はその経験のなかで
自己免疫疾患
(リウマチ、ALS、アルツハイマー病、ガンetc・・・・・)などの
深刻な疾患の患者に
ある共通点が見られることに気がつきます。
疾患にかかった著名人の
幼少期からの心の軌跡をたどるとともに
自らが出会った患者たちの、それまでの人生について
直接のインタビュー、カウンセリングを行い
彼らの歩んできた人生と感じ方が
その病に、無関係ではないと明らかにしていきます。
幼少期の抑圧が知らずに思考のクセになり
それを人は抱えていく。
それがストレスに成るとも気がつかない
親の因果が子に報い。
すべての事には理由があるのだ。
「感情の抑圧が身体へ影響を与えること」
これを知るだけではなく
【私の感情】は何を抑圧しているのか
どう影響をしているのか?
それは結局
どう生きるかという
問題そのものなのである。と感じました。