あらすじ
吉本家は、薄氷を踏む
ような〝家族〞だった。
戦後思想界の巨人と呼ばれる、父・吉本隆明。
小説家の妹・吉本ばなな。
そして俳人であった母・吉本和子――
いったい4人はどんな家族だったのか。
長女・ハルノ宵子が、父とのエピソードを軸に、
家族のこと、父と関わりのあった人たちのことなどを思い出すかぎり綴る。
『吉本隆明全集』の月報で大好評の連載を、加筆・修正のうえ単行本化。
吉本ばななとの姉妹対談(語りおろし)なども収録する。
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Posted by ブクログ
あの時代の物書きはそれなりに誠実さを持て余していたし、家族が受け皿になることが当然の時代だった。今だとこういう家族はなくていい。懐かしむ気持ちは全くないが。
Posted by ブクログ
家族の入院やお別れに際しての感想や経験則を、みーんな猫たちとの付き合いに基づいて書いていて、読みながらニヤニヤしてしまう。本当に猫って人生の師だよねぇ。
老親との付き合い方については、読みながら自分を省みて反省することしきり…。そだね、自分もいつかは老いるのだということを、そして老いるとは今まで出来ていたことが出来なくなっていくことなのだということを忘れずに、もっといたわらなくちゃいけないね…
お父様の吉本隆明の本は読んだことがないけど、ハルノさんが書かれていた猫エッセイは何冊か読んでいて、そこに出てくる娘たちが聞いてきた吉本隆明の言葉のひとつひとつにはなんだかすごく納得してた。
オウム事件や東日本大震災の原発事故についての発言が当時物議を醸したというのもこの本ではじめて知ったけど、よくよく読んだら納得と共感しかなくて、吉本隆明の本をちょっとちゃんと読んでみたいなという気持ちに。