【感想・ネタバレ】政治家の殺し方のレビュー

あらすじ

37歳という若さで横浜市長となった。だが、事実上、政治家として殺された。ある日、突然襲った謂れのないスキャンダルの嵐。その身の潔白は、すべての裁判で勝訴をおさめたことで証明された。
では、いったいなぜそのようなことが起こったのか? 裏には何があったのか?
読者から「知ってよかった」と大反響の、日本の「政治・社会の真実」とは。
全組織に共通する病根がわかれば、日本は変わる!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

チェック項目16箇所。私がここまで狙われるのには理由がある、それは利権構造にメスを入れ、甘い汁を吸ってきた人間を追い詰めてしまったことによる。「政治の世界では、だれと組むかでその後の政治家人生が変わってくる。将来のキャリアに関わってくるから、よくよく考えた方がいい」。小泉元首相や橋元知事は「出る杭は打たれても出る」という感じだし、もはや「出過ぎた杭は打たれない」という域にまで突き抜けるほどの存在になっている。即日開票すると、市の職員が夜中の2時、3時まで開票作業にあたり、残業手当を出さなければならない、即日開票と翌日開票の差、それは1億2800万円だった。自分が市長になって改めて気づいたことだが、やはり公務員には安定志向の強い人たちが多い、提示に帰宅して好きなことをしたい、言われたことはやるが、言われなければ動かない、公務員にはそういう内向き志向の人が多いというのは事実だろう。係長よりヒラの方がいばっている職場風土を経験すれば、多くの職員が「試験を受けて昇任してもつらいだけ」と思い、受験者が減っていくのは当たり前だ。「身に覚えがないことでバッシングを受けても、だれが自分を落としいれようとしているか、その背後関係は分かっている。『修行の場だ』と割り切り、堂々としているしかない。やがて人々にわかってもらえるときが来る」。政治家が居眠りをしていることへの批判は結構だが、貴重な時間を割いて行う記者会見中に、居眠りをする記者がいることを多くの国民は知らないだろう。こちらが包み隠さず発表していたら、「止まらぬ不祥事~姿勢問われる横浜市」という大見出しで、まるで横浜市が不祥事だらけのような論調で記事を書かれたこともある、だが、それはすべて横浜市が公表しているからこそ、わかったことではないか、他の市は公表せずに内部処理で済ませていることが多いのだ。中身をわかっていない人が、とりあえず質問する場合によく使う手だ、漠然と「どう?」と聞いてくる、そんな質問を連発する記者には「どうにでも答えられるけど、どの観点から聞いているのでしょうか?」と聞き返すこともあった。「おまえはバカだ」「おまえみたいな野郎はとっとと消えろ」「バカ市長、調子にのるな」すべて実際に送られてきたメールの文面だ、なかでも印象に残っているのが、「死ね」というメール、大の大人が送るメールとはとても思えない、しかも、庁内LANで送られてくるこれらのメールには、ごていねいに所属部署や実名まで書いてある、市長にどんなメールを送ろうと、クビにならないことを知っているのだ、なぜか? それは、彼らが地方公務員法という法律で権利を守られているからだ、公務員は明らかな犯罪行為でもしなければ懲戒免職になることはない。いくら街宣車ではた迷惑な演説をされても、無反応を貫き通した、そのため2年にもわたって街宣車が来ることになったが、やがて「こいつはダメだ。いくらやっても乗ってこない」ということになったのだろう、いつしか街宣車は来なくなった、嫌がらせにグッと堪えるのも市長の仕事なのだ。「感謝日記」なるものをつけていた、登場回数が一番多いのは、先述のA議員だ、A議員のお陰で「緊張感を保てている」「謙虚にしなければいけない」「私の正当性を証明してくれている」とあり、「……心から感謝したい」と書いてある。判決が出た2日後に電話をしてきて、「あのときは疑ってしまった。なるほど改革への意趣返しだとよくわかった。また応援するよ」と言ってくれた人がいた、一人でもわかってくれる人がいれば、人は強くなれると思った。日本はどのような国をめざすべきか、私は、大いなる自由に対して、しっかりと責任が伴う社会をめざすべきだと考える。個人の自立を考えてみる、「国や地方行政が何かしてくれればいいな」「何かしてくれるに違いない」という、依存症に浸りきった人が多すぎる。

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2013年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前横浜市長、中田宏氏のスキャンダルに対する暴露本。
改革を推進する中で部下や利権に関わる人々に嫌われ、週刊誌、新聞といったマスコミによって陥れられた。彼らの目的は一時的なスキャンダルによって信頼を失墜させること。

参考になる視点
■批判に耐える姿勢
マスコミの批判的姿勢は政治家を正すといった見方や人間の妬みや恨みからくる攻撃はひたすら耐えるしか無い、といった姿勢は尊敬する。
■マスコミは国民の代表。政治家を監視する役目も
偏った報道をするマスコミだが、国民の代表であるという。中田氏は在職中、どれだけ忙しくても週1回の記者会見は欠かさなかった。ここには無造作に市民を招くことはできない。よってこのような生の情報へアクセスできる記者は、いうなれば国民の代表。
■構造が問題
「死ね」というメールが送られてくるのも、法律を犯さない限りクビに出来ないという公務員構造がそもそもの原因である、という。

だがその構造を変える過程では、多くの既得権益者が今までの利益を享受できなくなるため反感を買うことになる。

民間企業においては会社の売上と自身の給与はある程度結びつきが見えるため、社内のコストカットなどに同意を得やすい。
しかし公務員の場合は自分たちの給与と市の財政との繋がりが見えにくいため、コストカットに対する反発が生じやすい。

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2013年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

既得権益、利権に浸り、変化を拒む市職員と政治家、
下世話なでっち上げと批判ばかりを報道するマスコミと闘い、
行財政改革の末に黒字化に成功した前横浜市長、
中田宏さんの激白本。

イメージ操作を行うマスコミとの関わり方を改めて考えさせられます。

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2018年08月05日

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