あらすじ
決別した母と十数年ぶりに顔をあわせた娘、友情は永遠に続くと思っていたあたしたち、親しくなかった昔の同僚、見えない鎖に縛られた姉妹、穏やかな彼女に物足りなさを感じる僕の前に現れた刺激的な女性――。どれだけ一緒にいても、わかりあえない。でも近づきたくて、もどかしい。一筋縄ではいかない女同士の人間関係に悩めるあなたの心を鮮やかに解き放つ、共感度MAXの8篇!
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Posted by ブクログ
コミュニケーションの難しさ、とは。
人がそれぞれ考えている事とは複雑なもので、その歯車がずれていく瞬間が何パターンも鮮明に描写されていました。
同じ状況になったはずがないのに何故かわかってしまう言葉にうまく出来ない複雑な感情が書かれていて、面白く気が付いたら読破してました。
短編集で読み易い、でもちくちくと感情を揺らしてくる作品です。
Posted by ブクログ
登場人物たちの突飛な行動に繰り返し驚かされた。
共感はできないが人とコミュニケーションを取る上で意図せず起こったいざこざや伝えたいことを伝えられないもどかしさはあるあるだなと何度も頷いた。
自分でもうまく把握できない複雑な感情が表に出てしまい周りから引かれたり怒られたり。
反省しなければとわかっていても コントロールを誤った感情に収集がつかず自己弁護に走る。
または誰にも理解されないという諦めから黙り込む。
人間同士の機微や面倒くささが見事に書かれていた。
Posted by ブクログ
あらゆる年代の女性が感じることをダイレクトに感じられた。
自分のこと以外の女性について、どんな人生かなど考えたこともなかったが、改めて人にはそれぞれの人生があって考えて生きていると思った。
小説家ってすごいなー。。こんな風に客観的に捉えて文章にできるのは才能だと思う。
Posted by ブクログ
「私とあなたは違う人間なんだ」という現実に、打ちのめされたり、逆に「だからこそ」と前向きに考えられたり。
いままでの加藤さんの軽やかさ、鮮やかさ、時折感じる苦味はそのままに、急に訪れる衝撃が加わり、以前よりも深みを感じる作品でした。
加藤さんの世界に出てくる、お菓子や飲み物、料理、本当に鮮やかで魅力的で、とても美味しそうで、それでいて登場人物の心情を反映していて、そういうところがもう本当に好きなんだよなと、読みながら身悶えてしまう。あぁ、過去作読み直そう。
今回の短編では特に「お茶の時間」はお気に入り。
ちょうど台湾烏龍茶を飲みながら読んでいたこと、私も紅茶やお茶がすごく好きで、出てくるお茶やお茶を使った料理が本当にすごく美味しそうで、現実にあのお店があったら毎週通ってしまうと思う。
Posted by ブクログ
マッチングアプリで出会った男が好きすぎて殺しちゃった妹を庇う話が衝撃的だった。
あと、中国茶店を営む女性のもとに現れた昔の職場のアルバイトの女の子の話とか。
そこそこおもしろかった。