あらすじ
■私たちを息苦しくさせる「意味を求める病」を手放す
人間は「私は何のために生きているのだろう」「私は何かに役に立つのだろうか」など、
自分の生きる意味や役割について考えてしまう生き物だ。
とくに、幼少の頃から「夢を叶えよう」「誰かの役に立つ人になろう」
「一生懸命に働こう」などという甘言を浴びせられて生きてきた現代人だったらなおさらだ。
なぜなら、こうした言葉は「夢を叶えず、誰かの役にも立たず、ろくに働かない人生は失敗」という
呪いの言葉に容易に変換されしまうからだ。
だから、必死に自分の人生の意味を探し、それが見つからないと絶望してしまう。
さながら「意味を求める病」に罹ってるかのようだ。
■しかし、本書では「人生には意味があるべきだ」とかいった言説に
普遍的だったり超越的だったりする価値はないと喝破する。
そのうえで、「人生に意味なんかなくてもいいじゃないか」「そもそも人生に意味なんてない」と主張し、
「意味を求める病」を手放す生き方を提案する。
■目次
私が「人生に意味はない」と考えたわけ――まえがきに代えて
第1章 人生に意味はなくても楽しく生きられる
第2章 資本主義思考と意味の呪縛
第3章 本当はたくさんある意味不明な生物の形質
第4章 「無意味」への恐怖を克服しよう
あとがき――意味などないけど楽しく生きよう
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Posted by ブクログ
面白かった!
池田先生の教育方針は
『自分の人生は自分で考えて勝手に生きろ、他人に自分の考えを押しつけたりコントロールしようとしたりするんじゃないよ』
なのだそう。
大変すばらしいですね。
すべての事に『意味』などいらないし、なくて良い。
万人に正解と思われているものですらそうでないかもしれない。
正解不正解も究極的にはわからない。
考え方がとても参考になりました。
Posted by ブクログ
「自分の生きる意味は」と問いたいと思ってしまう。問わなければ、人から鼻で笑われる。でも、意味は考えなくていい。楽しければいい。笑うやつは笑うがいい。というふうに考えをチェンジさせてくれます。ハイロウズの「即死」の曲、「何が正しいか知らない、何が楽しいか知ってる」、ですね。
Posted by ブクログ
所詮生物に生きる意味などない。好きに生きたら良い。すべては資本主義の呪縛。生物学者だけあって虫とか動物の例えが多い。途中多すぎるので読み飛ばした…
あと反コロナワクチン派なのでそこもどうかと…それ以外は楽しいおじいちゃんの独り言で楽しめる。
”「意味のある生き方をしろ」「役に立つ生き方をしろ」「無駄な生き方をするな」というのは三位一体となって、多くの現代人の心を縛っている。
しかし、人間は「意味のある生き方をしなくてもいい」し、「役に立つ生き方をしなくてもいい」し、「無駄な生き方をしてもいい」のである。”
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読みました。
生物学者さんらしく、人間を含めて生物の生態や進化をたっぷり盛り込んで、人生や生きることの意味をお話してくれていました。
意味や理由があるからそのような生態になったとは思いますが、現代となっては本来の意味が堅実に果たされているかというと、そうでもないものも多いとこのこと。
人間の体毛・ムダ毛なんかもそのようです。大事な部位を守るために生えてるはずが、体温調節はおろか、外部からの防御力はかなり弱いと言えます。諸説あるとは思いますが、「生きる意味」を語る上でのひとつの提示として聞けばおもしろいなと思いました。
本来必要で進化してきたものすら、意味を果たさないものある。擬態化しても捕食される生物もいる。だけどその生態を続けている。だからそこまで「意味」に固執する必要は無いのではないか。
「意味」を求めすぎて、それが分からないと自分に価値がないと勘違いしてしまう。人の役に立つような人、しっかりと目標を定めて邁進している人、そのような人達だけが正しい人生を送っている訳ではない。自分が日々好きなことをやったり、楽しかったり、幸せだったらいい。堂々と主張できる「意味」がなくなっていい。
この作品の大半は生物学についてのお話だったので、理系が苦手な私は途中は挫折しそうになりましたが、読み終わるととても腑に落ちました。
生物学のちょっとした勉強にもなったので、ためになる本でした。