あらすじ
通史で読み解くからこそ、見えてくるものがある 家康から綱吉の時代は戦後の高度経済成長、新井白石の「正徳の治」は平成のバブル崩壊といったように、江戸時代の経済変動は現代と似ている点が多い。デフレからの脱却に繋がった、吉宗による「享保の改革」の功罪とは。田沼意次の構造改革が成功しなかったのはなぜか……。徳川幕府の経済政策の成功(光)と失敗(影)に学ぶ。 ●第一章 家康の経済戦略“エドノミクス” ●第二章 幕府を揺るがした政治危機と大災害 ●第三章 “元禄バブル”の実相 ●第四章 正徳の治――“バブル”崩壊でデフレ突入 ●第五章 吉宗の「享保の改革」――元祖・リフレ政策 ●第六章 田沼時代の真実――成長戦略と構造改革の試み ●第七章 「寛政の改革」――超緊縮で危機の乗り切りを図るが…… ●第八章 「化政バブル」――“最後の好景気” ●第九章 「天保の改革」――“最後の改革”だったが…… ●第十章 幕府崩壊と近代化の足音
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Posted by ブクログ
島国だからなのかそれとも歴史の法則なのか江戸時代の経済と現代のリンクしている部分に注目されている。というか一致してる部分が多くて気味が悪くなる。そのためか経済からみた江戸時代歴史本として楽しめたとともに現代を考えると憂鬱にもなる。
三大改革と称されるものが改悪にしかなっていない(良い点もあるけど)のも新井白石(この人は三大改革に絡んではないけど)や松平定信の様に優秀だけど新しい価値観を生み出せなかった事が大きい様に思う。真の改革者である田沼意次やそれを認めた英明な将軍の評判が極めて悪い事にも現れている。歴史から現代に生きる身としては気をつけるべきこととして記憶していきたい。
Posted by ブクログ
260年に渡る徳川幕府の経済政策
家康が江戸に移転した当時は寒村でなにもないところから作り上げることになり、幕府の開府ととともに発展を遂げる。
この時代は人の移動と、戦がなくなったことにより米の食料生産や出生率の増加が何よりも大きい。
その後は、秀忠、家光による大名の取り潰しや、徳川幕府の権力基盤の増強など、発展を遂げるまでは何となく想像できました。
その後の綱吉や吉宗の時代の経済政策に対する考え方も面白いと思いました。ドラマの影響か吉宗に対しては良い部分が大きかったですが、実際の吉宗は米将軍とも呼ばれ、財政の引き締めに関わる部分も大きかった。それでも、後の政策の転換など見ると柔軟な人だと思う。
また田沼意次は賄賂政治の悪いイメージがありましたが、重商業主義の重視により経済を大きく発展。やはり景気が悪いよりも良い方が気持ち良いのも事実。新井白石がどうしても悪者きに見えてしまう。
歴史は勝者が作るものかもしれませんが、時代とともに
石田三成もですが、その人の活躍が見直されるのは仕方がない所。
貨幣の鋳造と経済発展に金が大きく関わっていたという観点も色白かったです。
確かに今の景気と経済政策に似ている所もあり、歴史は繰り返すでしょうか。
Posted by ブクログ
中学校の社会科の授業で
田沼意次 ワイロの政治
と教師が強調したのが忘れられない。
現在では政敵がそういう噂を流したのが残っている、という説が有力らしく、大河『べらぼう』にも出ているのでイメージが変わるかもだけれど。
Posted by ブクログ
<目的>
序章 歴史は繰り返す⁉~現代と重なる江戸の経済変動
第1章 家康の経済戦略”エドノミクス”
第2章 幕府を揺るがした政治危機と大災害
第3章 ”元禄バブル”の実相
第4章 正徳の治~”バブル”崩壊でデフレ突入
第5章 吉宗の「享保の改革」~元祖・リフレ政策
第6章 田沼時代の真実~成長戦略と構造改革の試み
第7章 「寛政の改革」~超緊縮で危機の乗り切りを図るが…
第8章 「化政バブル」~”最後の好景気”
第9章 「天保の改革」~”最後の改革”だったが…
終章 江戸から令和へ~経済復活のヒント
<内容>
江戸時代の経済史を俯瞰してまとめたもの。日本経済新聞社、テレビ東京で活躍したマスコミ系の著者。回りくどい学者の説明がなく、新書に適した内容で読みやすい。教科書レベルも逸脱することもないが、「令和」の経済状況と対比させるような説明で、歴史を歴史としてだけ見ていないところが良い。
Posted by ブクログ
関東移封から明治維新まで、サクッと概観。高校レベルの日本史知識より少し詳しく、かつ現代日本とリンクさせ、「これからが明治維新」というわかりやすい論旨構成。勇気・元気が出る読後感です。経済・金融政策、構造改革と成長戦略。現代用語から歴史を解釈するのは新鮮で発見もありますね。先人たち偉業を、我々末裔も承継して次代にバトンタッチしていきたいですね!