【感想・ネタバレ】インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナーのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・シリーズ3作目。
・「クロコダイル路地」で、バートンズの面々のその後がちょろっと描かれていたが、本作はそこでは描かれていなかったエドとクラレンスの、新大陸アメリカでの話。
・アメリカ独立戦争の直前。上に新大陸とつい書いてしまったが、それは英国側の論理。先住民族を搾取する植民の物語でもある。
・が、そこは皆川博子、アシュリーという中間者を設定し、異文化の衝突と交流を鮮やかに描く。
・しかもアシュリーを、読者にとって共感しやすい本好きとした。解説に杉江松恋が言うように、書くことや語ることを前面に押し出し、どころかそれすら謎に取り込んで、小説の小説に仕立てる。これぞ小説の女王。「書いたものが届く」ことの奇蹟。
・個人的には、中年になってウィリアム・フォークナーにようやく接近しているのだが、その前史をまさか皆川博子の筆で開陳されるとは。僥倖とはこのこと。
・Podcast「コテンラジオ」のアメリカ開拓史パートも参考になった。
・それにしてもこれで終わりか……と遠い眼をしていたら、なんと早川書房「ミステリマガジン」にスピンオフ短編がいくつか掲載されているらしい。
こりゃバートンズ短篇集、あるぞ! と哀しさ半分嬉しさ半分で、明日からもまた生きていけるのであった。

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2023年12月11日

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