【感想・ネタバレ】インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナーのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月12日

3部作の最終作、シリーズを通して濃くて骨太だったなぁ、と。1作目から感じた読み物としての圧倒的質感を維持したままの完結は凄いと思いました。

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Posted by ブクログ 2024年01月04日

皆川博子『インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー』(ハヤカワ文庫2023年11月印刷)を読んで――雑文。
通常は作品の感想を書きますが、今回は、ミステリのシリーズ三作目である事もあり、前作をも含めてネタ割りをせずに感想を書くのも辛いので、取り留めのない雑文になります。まあ、ふだんから取り留めのない感想...続きを読むを書いて居りますが。
もう言うてもよかろうが『インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー』は文庫版が出るまで待って読みました。前二作はハードカヴァーで買い、文庫版に付録が付いたので文庫版も買うたのですが、ハードカヴァーの方は已む無く手放したので、文庫版で揃えたいと思うたからです。今度も文庫版にはおまけが付くかという期待もあったのですが、それがなかった事は残念です。バートンズの短篇があった筈、どこかで纏めていただきたく存じます(できれば文庫サイズで、新装版等でも嬉しい)。文庫版といえば解説が付きものですけれども、杉江松恋氏の解説は読み応え有り、作品世界と距離を置き日常に帰ってくる道標として調度よく、まことに助かりました。
さて、皆川作品に於ける続編は、読むのに覚悟がいるというか、私が続編という物に求めがちな内容から少少外れる事が多い。まさかこんな事とは…!という展開が多い気がします。シリーズ一作目『開かせていただき光栄です──DILATED TO MEET YOU』は、比較的読み易いので皆川作品未読の人にも推奨できるという声もありますが、それはその通り。シリーズ未読の方はやはり一作目から読むのがよいでしょう。
ところで、私の大好きな皆川氏の近作『風配図 WIND ROSE』の続編(?)の話も聞こえて参りますが、紹介を読むだけで不穏で不穏で。楽しみです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月11日

・シリーズ3作目。
・「クロコダイル路地」で、バートンズの面々のその後がちょろっと描かれていたが、本作はそこでは描かれていなかったエドとクラレンスの、新大陸アメリカでの話。
・アメリカ独立戦争の直前。上に新大陸とつい書いてしまったが、それは英国側の論理。先住民族を搾取する植民の物語でもある。
・が、...続きを読むそこは皆川博子、アシュリーという中間者を設定し、異文化の衝突と交流を鮮やかに描く。
・しかもアシュリーを、読者にとって共感しやすい本好きとした。解説に杉江松恋が言うように、書くことや語ることを前面に押し出し、どころかそれすら謎に取り込んで、小説の小説に仕立てる。これぞ小説の女王。「書いたものが届く」ことの奇蹟。
・個人的には、中年になってウィリアム・フォークナーにようやく接近しているのだが、その前史をまさか皆川博子の筆で開陳されるとは。僥倖とはこのこと。
・Podcast「コテンラジオ」のアメリカ開拓史パートも参考になった。
・それにしてもこれで終わりか……と遠い眼をしていたら、なんと早川書房「ミステリマガジン」にスピンオフ短編がいくつか掲載されているらしい。
こりゃバートンズ短篇集、あるぞ! と哀しさ半分嬉しさ半分で、明日からもまた生きていけるのであった。

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