【感想・ネタバレ】人間晩年図巻 1995-99年のレビュー

あらすじ

山田風太郎『人間臨終図巻』の衣鉢を継ぐ新たな「図巻」が誕生.一九九〇年代を舞台に,世界的スターから市井の人まで,悲喜こもごもの晩年を匠の筆で描き出す.あの人はどんな晩年を送ったのか? 彼らが世を去った90年代とはいかなる時代だったのか? 本書には渥美清,ダイアナ元妃,司馬遼太郎,伊丹十三,城達也らを収録.

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Posted by ブクログ

関川夏央、「人間晩年図巻」の2冊目。本巻は2016年6月の発行で、1995年から1999年に亡くなられた方についての紹介。
1995年は阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が起きた年だ。1990年代初頭にバブルが弾けて、日本では低成長が続いていた。当時はそれでも、それは景気循環の下降局面であり、いつかは景気は回復するであろうと見られていたが、そこから約30年間近く、日本の経済は低迷を続けている。
個人的には、私の30代。1995年には、子供2人は小学生。任される仕事の範囲も広がりつつあり、生活は充実していたと言える。

本書で紹介されているのは、35人。
例えば、テレサテン、横山やすし、司馬遼太郎、渥美清、鄧小平、ダイアナ妃、村山実など。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」に心を動かされたり、テキ屋の寅さんの自由気ままな人生を羨んだりしたことが思い出される。
そういう意味では、本書は亡くなられた方々を紹介する本であると同時に、読者が自分の人生を振り返る本でもあるのだと思った。

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2021年12月17日

Posted by ブクログ

 山田風太郎「人間臨終図巻」の衣鉢を継ぎ、現代史へシフトした「人間晩年図巻」。三島由紀夫賞の授賞式で「私(関川)は、たまたま江藤淳の真後ろに座っていて」という「江藤淳」の回は臨場感がある。「人間臨終〜」でいうと「江戸川乱歩」の回にあたるだろう。
 初読が2018年晩秋。僅々2年半の間に自分も老いた。再読した今、物故者の晩年がロールモデルとして身に迫ってくる。

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2021年06月08日

Posted by ブクログ

1995年、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件がありました。そして、ネットが普及し、紙の文化に翳りが出始めた頃でしょうか。関川夏央 著「人間晩年図巻 1995~99年」、2016.6発行です。テレサテン(42)、横山やすし(51)、司馬遼太郎(72)、渥美清(68)、藤沢周平(69)、萬屋錦之助(64)、勝新太郎(65)、ダイアナ(36)、村山聖(29)、村山実(61)etc。みなさん、早逝ですね。萬屋錦之助は多病多婚(有馬稲子、淡路恵子、甲にしき)。中村玉緒は、あの世へ行っても夫が恥をかかないようにと棺の中に五百万円を入れた。村山聖へのアンケート:今年の目標は?「生きる」、好きな言葉は?「土に還る」、そして、最後の言葉は「・・・2七銀」。

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2017年07月30日

Posted by ブクログ

晩年を中心に描いた評伝集。天下一下の会の内村健一からポルポトまで、幅広い人選が魅力だ。面白かったのは、テレサ・テン、萬屋錦之助、ダイアナ・スペンサー、金杉忠男、大津高幸、村山聖など。後書きにもあったように1995年は阪神大震災、オウム真理教事件が起きた年、それからの5年間に亡くなった人たちは、歴史の転換点を生きたのだ。

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2022年01月20日

Posted by ブクログ

臨終図鑑の続きを切望していたので、この企画はありがたい!山田版と比べると犯罪者成分や皮肉な言い回しが足りないなど感じるが、よくぞ作ってくださったという感謝の念の方が大きい。山田康雄とか勝新太郎とか興味深い方々も収録されている。

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2018年04月13日

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