あらすじ
非常時というかけ声のもと,同調圧力が強まるなかで,この社会の「育む力」は失われつつあるのかもしれません.自分自身で考え,行動しようとする若い人たちと,かれらを取り巻く大人たち.誰もが自分のなかの埋もれた「リーダー」を掘り起こし,「育む力」を育むには…….村ぐるみの選挙不正を告発した一人の少女をめぐるエッセイを新たに増補.(解説=若松英輔)
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Posted by ブクログ
「君たちはどう生きるか」という問いへの筆者なりの一つの答え。
これまで何も考えず、同調圧力に従い生きてきた気がする。
尊敬できるリーダーを探し求め、やっぱりちょっと違うなぁ、とがっかりしたり。
思ってもないことを言って、自己嫌悪に陥ったりすることもたくさんある。
「自分の中の、埋もれているリーダーを掘り起こす」作業をしたことがなかった。
自分的基準や批判精神を持って、自分にいいかっこしながら生きていく。劣位にある自分も受け止めていく。そうして、「自分という群れ」のリーダーとしての振る舞いを学び、世界への愛と祝福の想いを抱きながら進んで行けたら。引っかかったことに勇気を持って声をあげることも、いつか、できたらいいなと思う。
Posted by ブクログ
チーム・自分の中のリーダーの声。
「僕は、そして僕たちはどう生きるか」は、よかった。
が、啓蒙主義の匂いがほのかに。
もちろんその意図はあるはず。
そして深い誠意から来ているはず。
でも自分が14歳だったら反撥していたかもな。
本書はもっとそう。
ヘレン・ケラーがナプキンを畳んだという件に深く感動する母親の姿に胸打たれたのは、やっぱり大人になってからだもの。
でも自分のような頑なな少年にも、こういう言葉を一度送っておけば、どこかで復活するものだと思う。
「みんなちがって、みんないい」のような言葉をシニカルに受け流す姿勢が身についてしまっているが、逆の姿勢も持っておきたいな。