あらすじ
情報立国への道を示す提言の書、インテリジェンス・リテラシーのすすめ
「外交とは情報戦争である」「情報なき国家は、頭脳なき国家」との認識が世界の常識となっている。外国による情報操作や世論工作が横行し、国家機密や先端技術情報の漏洩も止まらないなか、情報史の権威が、日本の危機と今後の国家情報戦略のあり方を提示する。
2009年、日本で初めてとなる「インテリジェンス学会」を立ち上げるた著者による、一般向けの啓蒙書・入門テキスト。
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Posted by ブクログ
【159冊目】京都大学の論客・中西教授による、歴史学的なインテリジェンス研究の必要性を説く書。国際関係論や外交史研究におけるインテリジェンスへの顧慮が必要であることは分かったし、政策的にも国民の間で情報活動に対する理解(インテリジェンス・リテラシーと著者は呼ぶ。)が広まることは日本が今後国際社会で生き残っていくために必要であるということも分かった。ただまぁ、著者による主張という側面が強くて、あんまり学問的な本ではなかったな。
あと、欧米においてインテリジェンス関係の公文書の公開が相次いだために学問的な発展が飛躍的に見られたと筆者は言うが、ではそうした公開に消極的な日本においてどのように当該学問の環境を整備していくのかがイマイチ不明瞭だったかと思う。