あらすじ
パンデミックによって感染症や免疫に関する情報を目にすることが多くなり、私たちの知識も増えたように見える。ただ、そこで出てきた情報は、曖昧なものや誤った情報、感情的なものなどもあり、玉石混淆ともいえる。本書ではあらためて、ウイルスなどの病原体がどのように感染を起こし、免疫がどのように働くのか、その複雑なしくみを、基本から正しくわかりやすく解説する。
また、身体を守るための免疫が、アレルギーの原因となるなど、ときには自分に攻撃的にもなるメカニズムについて解説。免疫が低い場合についてはもちろん、過剰な場合の脅威にも触れる。後半では、さまざまな病気との関連、特にがんとの関係について、期待される免疫療法を軸に展開する。
さらに、免疫は、老化と脳にも深く関わっているという研究が進んでおり、今後の医療への応用も期待できる。認知症や脳梗塞などを、免疫という視点からひもといていく。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この内容が1000円ってお買い得すぎる。
現在の免疫を網羅してて、入門に留まらない。
がん医療などの免疫療法に関わる人間で、免疫が苦手な人はわかりやすくて手に取るべしの内容。
中高生が手に取って、興味を持って、日本初の薬を開発してくれると良いな。
Posted by ブクログ
がん、老化、そして脳の働き──パンデミック、ワクチン接種それらの鍵を握る免疫は実に奥深いシステムだ。研究者・吉村昭彦氏はこの目に見えぬ世界に魅せられ長年取り組んできた。実験は思い通りに進まないことが多く仮説が裏切られることも少なくない。それでも氏は「うまくいかないからこそ面白い」と語り未知の領域に果敢に挑み続ける。
免疫に関わる遺伝子や細胞の動きを探る中でさまざまな病気との関連性が次々と明らかになったこと。粘り強い探究心が医学の常識を次々と塗り替えていった。科学とは答えのない問いに挑む営みだ。
Posted by ブクログ
詳しい説明の前に、サイトカイン、免疫細胞、炎症など、各種の用語の定義を簡潔に述べてくれて、理解に役立ちます。
免疫系はややこしいですが、この本は分かりやすい方だと思います。
話題になっていた『疲労とはなにか』近藤一博 著を以前に読みましたが、こちらを読んでからのほうが理解がしやすそうです。
★4〜5くらい。
Posted by ブクログ
へー、程度に流し読みしたが、超入門として一応図解入りで分かりやすく書こうとしている工夫あり。
生物苦手or忘れたって人間にとっても、
『はたらく細胞』を見ていたら馴染みの名前がチラホラと出てくるので比較的読みやすいと思う。