【感想・ネタバレ】戦塵外史 五 戦士の法のレビュー

あらすじ

男の武骨な斬撃が、追っ手の生命を頭蓋ごと押し潰す。次々と。なんの躊躇いもなく。男の桁外れの強さに、まだ10歳の少女は息を呑んだ。少女は男を「大男(ガーヴ)」と呼び、男は少女を「小娘(シャール)」と呼んだ。お互いの素性も、名前すらも判らない。いや、むしろそれは邪魔になるだけだ。用心棒と、その雇い主。その関係だけがあればいい。 男は喋らない。頑強な筋肉で覆われた巨躯が、ただ分厚い足音をシャールの後ろで響かせるばかりだ。この男とならもしや。そう、シャールが考えた時、一目で手練れと判る、細身の双剣使いが彼らの行く手をゆらりと阻んだ……。 戦場の匂いを漂わせて「戦塵外史」第5弾、ついに登場! ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

剣術指南の家の娘が、両親を殺されて、引継ぎ任務の旅に出て、雇った用心棒と旅の間に絆を育むというお話。

シチュエーション的にも、キャラクター的にも、おおよそどこかでは見たようなお話。とはいえ、メインキャラ3人で、一人が全くしゃべらないというのは、少し新しいところか。
無言の行を自ら課しているわけでもなさそうだし、頭目時代はいったいどうしていたのだろうか、とかは思うところだ。
文章もそれほど上手ではない。体言止めを多用するが、スピード感が出ているかというと微妙なところで、もうすこしレトリックを使えた方が、殺陣の流れの良さは出せる気がする。

それでも読み終わってみると結構楽しめているというのは、
癖の在る登場人物が、苦難を共にしつつだんだんお互いを理解して、最後には目的を達成する
という、逃避行もののお約束を、焦点をぼかさずにきっちりやっているからだと思う。
最後にそれぞれに実のある幸せな人生を手に入れたと示されて、良かったと思える愛着を、読者も共有できるお話だったと思うので。

0
2010年08月14日

「男性向けライトノベル」ランキング