あらすじ
何不自由なく育ちながら家族も財産もなくし、教師として働かざるを得ないヘレンは、新入生の後見人と対面したとたんに色を失った。以前、家庭教師をしていた貴族の家で、好色な雇主に抱きつかれたときに偶然、扉を開けた紳士だ。おかげでその隙に逃げ出せたけれど、顔を合わせる勇気はない。どうか私のことなど忘れていますように……。ヘレンはさっと目を伏せてうつむいた。だが紳士は彼女に気づき、非難するような目を向けてきた。まるでヘレンが汚らわしい情婦だとでもいうように。■美貌ゆえに誤解され運命に翻弄されてきたヘレン。言われなき中傷に耐える彼女と傲慢な紳士の歯がゆい恋の物語です。3月の関連作『レディに御用心』はアン・アシュリーの作品です!
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匿名
よくできたお話
なかなか良くできたストーリーで、スムーズに読みました。同じシリーズ(スティープウッド・スキャンダル)の時系列で言うと同じ作者(ゲイル・ウィティカー)の『アフロディーテの醜聞』はこれより前に起きた事です。こちらも総じてテンポ良く読めるお話でした。
自覚はないものの主人公二人とも最初から互いに魅力を感じているので、誤解が解けてその時の事情を冷静に考えられるようになると、周りの後押しもあって幸せな結末に至るところが自然に感じられてよかったです。
唯一疑問だったのが、ヘレンがワイミントンに手袋の件で脅迫のような手紙を受け取った時に、それをジリアンに見せたらそこで彼女は幻滅したのでは、というところ。