あらすじ
1987年から2003年にかけてオムロンの社長を務め、大企業病を克服した著者が、いま起こっている社会、企業、生活の変化を鋭く感知し、時代に先駆ける経営のあり方を語った書。オムロンの「経営の羅針盤」といわれるSINIC理論が描く未来シナリオとは?「工業社会」から「最適化社会」へパラダイム・シフトが始まったいま、企業は、事業は、人は、どう変わっていくのか?自分で考え、自分で行動し、自分で検証できる「自律」人間を育てるにはどうしたらよいのか?CSR(企業の社会的責任)が重要視される時代となり、旧態依然の経営理念や人事システムを守っている企業はいずれ淘汰される! 未来に生き残るためには、いまこそ「生活者中心」の企業に脱皮しなければいけないと著者は説く。オムロンの改革事例もふんだんに紹介されており、文明論・経営論・人材論として必読の一冊といえる。
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Posted by ブクログ
企業は社会の公器である。
言うのは簡単だが,実践するとなるとかなり難しいことだ。
普通,うわべだけで書くと本の中で矛盾が生まれるものだけど,本書の場合はまったく矛盾がなく,むしろ読んでいて「何が大事なのか」など共感されるところが多い。
これから就活をする人にも,また既に就職している人にも,ぜひ「理想の企業」や「企業のあるべき姿」について考えるために読んでもらいたい。
企業の発展のためには,従業員を大切にすることが一番大切なこと。など,当たり前のようで軽視されているところに隅々まで光が当たっている。
Posted by ブクログ
【オムロンのSINIC理論を学ぶ】
ヘルスケアで有名なオムロン。しかし、会社のビジネスはヘルスケア以外にも多岐にわたる。そのビジネスの根幹を支えている経営の方針は、『SINIC理論』というものから来ている。
本書によれば、原始社会に始まり、農業社会、工業社会と変化をしてきており、今は『最適化社会』にいるという。この社会は、大量生産大量消費、自己よりも多の『工業社会』と、より個にフォーカスし、自分のやりがい・いきがいを追求する『自律社会』の狭間にある期間を指す。
実際、現在の日本社会を見れば、より個の好みを尊重し、多様なニーズを満たすようなサービスが登場している。また働き方もフリーランスが増え、会社に勤めるだけの人生ではなく、自分がやりたいことで必要十分なだけ稼ぐようになってきている。
長期的に何が起こるかなんてわからない。と言われるけれど、大局的に見てどうなるか?を予想することは私は大切だと考えている。
SINIC理論は、1970年に説かれたものであるが、約40年経った今はその理論通りの日本社会になっている。これからの社会がどうなるか?を考えることで、どういうビジネスが受け入れられるのか?が分かる。
経営者や起業家は一度目を通しておきたい一冊である。