あらすじ
1942年6月のミッドウェー海戦は、日本がアメリカに大敗を喫し、太平洋戦争の転換点となった海戦である。この海戦の取材は著者の予想を越えて、約7年に及ぶ壮大なプロジェクトとなった。日米双方の戦死者を調査し、戦闘経過を史料から跡付け、敗戦原因の定説であった「運命の5分間」に異を唱えることとなったのだ。本書は、ときにミッドウェー島へ赴き、日本側3056名、アメリカ側362名の戦死者の生年、所属階級、家族構成などをあらゆる手をつくして突き止め、手紙やインタビュー等を通じて戦死者とその家族の声を拾い上げた圧巻の記録である。「彼らかく生き、かく戦えり」。全名簿と統計を付した第一級の資料。
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Posted by ブクログ
『女の一生サチ子の場合』で登場する修平を通じて、ひとりひとりを知りたいと思い、この本を手に取った。
日本側3056名、アメリカ側362名の戦死者、家族がどのように生きたのか、ナラティブで残した膨大な研究資料である。著者があとがきに記した『これはあくまでもわたし個人による「私史ミッドウェー海戦」であるという立場をつらぬかせていただきたい』という姿勢は、ノンフィクション作家としての文責の重みと、個から全体、全体から個と見渡す大切さを改めて示している。
家族の語りを読み、祖母が戦争について話したがらなかった気持ちに少しだけ触れることができた気がした。200ページにも及ぶ戦死者名簿のうち、誰1人として自分は存じ上げない。しかし、今自分が生きていることとのつながりを感じざるを得なかった。
第1部と第3部は海軍史に関する言及や記録が主なので、テクニカルな表現もあり、すべて理解するには勉強が必要だと感じた。『滄海(うみ)よ眠れ』と併せて読むとよりわかるのかな。