あらすじ
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近代ヨーロッパの文明思想は結局、国境やおカネといった虚構に支配された今日の世界をつくり出した。実体のある、結び合って暮らす共同体的世界をとりもどすにはどうすればよいのか。その手がかりは、日本の民衆が培ってきた土着・伝統の思想・文化にあった。自然信仰や仏教思想の展開をわかりやすくひもときながら、転換の時代をともに生きるための思想を構想する。自然と人間の関係、労働や共同体をめぐる独自の思想を構築してきた哲学者・内山節が、2019年2月に開催された「東北農家の二月セミナー」にて語った新しい思想論。
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Posted by ブクログ
「共同体」という日本語は、明治時代になってから生まれた言葉だ。
この共同体なるものの基盤として、華厳経は「人間関係」を挙げている。大乗仏教ではそもそも自己も、真理も「空」だとされている。つまり、私たちが見ている現象には全て実体がなく、関係に本質を見出しているためである。関係自体も実体があるわけではないので、「空」とされる(p.77)。
そこで華厳経では、「一即一切」という考えを大事にしている。宇宙の全真理はホコリくらいの世界にあり、一と全ては同じ、という考えだ。つまり、真理はひとつの小さな世界にあり、それはすべてが関係で結びあっているためだからだ(p.79)。また、華厳経は利他も重要視している。
自分の考えとかなり親和性があるな。。。