あらすじ
漱石の心身の「葛藤」に刮目し、読者の共鳴を誘う、鮮烈な集中講義全5講。
そのデビュー作から絶筆までを五感を駆使して「読み証し」「読み明かす」。2019年3月「夏目漱石スペシャル」に大幅に加筆。
*電子書籍版には一部収録していない画像がございます。あらかじめご了承ください
【内容】
はじめに─夏目漱石と「出会う」ために
第1講『吾輩は猫である』の「胃弱」
第2講『三四郎』と歩行のゆくえ
第3講『夢十夜』と不安な眼
第4講『道草』とお腹の具合
第5講『明暗』の「奥」にあるもの
あとがき
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Posted by ブクログ
坂本龍一さんが逝去した後に発表されたシアターピース「TIME」を観に行った時に、夏目漱石の「夢十夜」が引用されていて、その「わかるようでわからない不気味さ」は強烈に印象に残っていました。
本書を手に取ったのもその夢十夜が取り上げられていたためです。
現代の日本人にとって、夏目漱石は「名前は知っているけど実はよく知らない人」のかなり上位にくる人物だと思いますが、「胃弱」や「食いしん坊」「甘いものやこってりしたものが好き」など、B級を感じさせるワードはとても親近感を覚え、「こんな人が書く本なら面白いかも」と興味が湧きました。