【感想・ネタバレ】鬼の跫音のレビュー

あらすじ

刑務所で作られた椅子に奇妙な文章が彫られていた。家族を惨殺した猟奇殺人犯が残した不可解な単語は哀しい事件の真相を示しており……。(「ケモノ」)同級生のひどい攻撃に怯えて毎日を送る僕は、ある女の人と出会う。彼女が持つ、何でも中に入れられる不思議なキャンバス。僕はその中に恐怖心を取って欲しいと頼むが……。(「悪意の顔」)心の「鬼」に捕らわれた男女が迎える予想外の終局とは。驚愕必至の衝撃作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

巧みなストーリー展開で毎回読者を驚かせる道尾秀介の短編集

全体的な雰囲気として現代を舞台にした作品が多いものの横溝正史や夢野久作のような戦前の探偵小説に近しい雰囲気があり、少々懐かしさをも感じさせる内容ともなっている

各話の感想

鈴虫
最後の伏線回収は見事だが、ラストで私が怒鳴り出すのは意味がわからなかった
杏子に利用されただけに過ぎないという意味か?

犭(ケモノ)
本作で一番のお気に入り
いい話で終わるかと思ったら・・の先の絶望が後を引く

よいぎつね
本作で最も現実味の薄い幻想的な作品だと思った
ただし次の話のはじめでその隠された真相が明らかになる訳だが・・

箱詰めの文字
この物語の僕はシリアルキラー?
人を殺したのははじめてではないようだが、最初に殺した人以外は全て口封じ?
本編では曖昧にしか語られない事から少し気になるところ

冬の鬼
日記形式で過去に遡ってみると真相がわかる形式
戦後間も無くの舞台になった話で内容もその時代の小説に近く耽美である
最初の鬼の跫音は誰の話声であろうか?

悪意の顔
前の話と違い現代を舞台にしているが、最後に相応しく全作品で最も恐ろしいオチであった
最終的にSの真意はどうなんだろうか?
そしてあの女性は何が原因で死んだのか?


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2025年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集なのでサクッと読めた。
真相が分かると怖い話。
「よいぎつね」はいまひとつピンとこなかった。次の話を読むとヒントらしき文章が。
「冬の鬼」は好きな構成だと思った。前の日の日記に遡る構成で、ゼロ地点で一体何が起こったのかとドキドキしながら読めた。
「悪意の顔」これが1番怖かったし、伏線の張り方もいいと思った。

0
2024年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「鈴虫」
まあ好き。オチは察した
「犭(ケモノ)」
一番好き。道尾さんらしい
「よいぎつね」「箱詰めの文字」
ちょっと繋がり。でも惹かれない
「冬の鬼」
読み返してもそんなに
「悪意の顔」
真相がハッキリしない感は好き

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2024年02月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幻想のような現実のような、どれも不気味なストーリーの短編集。
全く救いがない話とも言いきれないが、全員あちら側に言ってしまったことは間違いない。。
全話に共通する「S」という存在がまた嫌な不安を掻き立てる。「冬の鬼」の日記を逆さまにした構成が特に好みでした。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

道尾秀介の短編集。
知的で幻想的、じっとりと仄暗い。全編にわたり、文体が醸し出す雰囲気がとても素敵でした。道尾さんって、いつもこんな感じだっけ?

特に好きだったのは、「ケモノ」。
猟奇殺人の足跡を辿りつつ、最後にはそれが主人公と重なるという衝撃のラスト。
文字を用いた面白い構成だったし、叙述トリックにも上手く騙されたし、凄く好みでした!

他の作品も素敵で、奇抜な設定や妖しげな雰囲気が読む手を止めず、退屈しなかったです。

ただ、オチの説明が省かれて、こちらに投げかけてくるテイストのものが多く、やや難しい印象も。
「箱詰めの文字」については、オチの意味をあまり汲み取れませんでした…。

面白かったですが、不思議な設定であるが故、感情移入がしにくかったり、必要以上に第三者的な目で読んでしまう部分もあったかと思います。

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2023年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

6部構成の短編集。
鈴虫の話、椅子のメッセージの話、狐のお祭りの話、作家の話、目とる話、いじめの話。
共通テーマは人の歪みと復讐?
物語自体は繋がってないっぽかった。
面白かったです。

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2023年06月21日

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