あらすじ
日本の住宅づくりはなぜ南向き至上なのか? 和室は必要なのか? ベランダは必要なのか? 住宅に造詣の深い著者が、イギリスでの住宅体験と7度の自宅建築の経験を踏まえ、日本の住宅づくりにまつわるさまざまな常識や既成概念を疑い、覆していく。そして、持論を展開しながら「家」を通してこれからの生き方を提示する。これまで薄々感じていた疑問が一気に氷解し、共感を呼ぶ住宅論であり生き方論。住宅に関心のある人にぜひ読んでほしい実用書であり、リンボウ・ファンにとってはそのまま洒脱な人生啓蒙の書である。著者自身の撮影による実例写真と自筆イラストレーションにより、リアルでわかりやすく、適度にアカデミックで、見て楽しいエッセイ。
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Posted by ブクログ
何事にも一家言ある林望先生の住宅論。さすが一筋縄では行かない方で、面白い主張がたくさん。
曰く、南向きの家なんて最低。北向きが良い。
曰く、なんとなく応接室や和室を作るな。
曰く、洗濯物はガスで乾かせば良い、ベランダという名前の物干し台を作るな。
ただし、さすがにどきっとするような指摘もしている。
発酵素材と腐敗素材だ。発酵素材とは、時間の経過とともに「味」の出てくる素材。無垢材、漆喰や土壁。レンガや瓦など。腐敗素材とは、古くなると単にボロく汚くなる素材。プラスチック、合板、アルミサッシ。建築家の藤森照信さんとの会話から生まれたというだけあって膝ポンの納得感。
Posted by ブクログ
自分が建てる家にベランダなんていらないんじゃないかと考えていた矢先に出会った本。それはあなたの好みでしょ?と突っ込みたくなる部分も多々あるが、常識とされていることに鋭く切り込んでいてなかなかに痛快だった。
Posted by ブクログ
住宅地域のイギリスと日本の町並の違ひについて得心した。
高温多湿の日本なのに、南向の家を建てたがる日本人の不合理性をつく。序の話で、リンボウ先生曰く、男も座って用足しすべし。
文化論としても、これから家を建てる人の参考書としても面白い本である。