あらすじ
トランシルヴァニア山中の城に潜んでいたドラキュラ伯爵は、獲物を求めて英国ロンドンへ向かう。嵐の中の帆船を意のままに操り、コウモリに姿を変えて忍び寄る魔の手から、ロンドン市民は逃れることができるのか。吸血鬼文学の不朽の名作。
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Posted by ブクログ
名作かつ、自身が創作好きで特にドラキュラ伯爵概念が好きなのでずっと読みたかった一冊。
一度目買いに行った時本の厚みに慄いて断念しましたが、二度目にてトライ。
ボリュームがかなりありますがサクサク読める作品でした。
自分の今までのドラキュラ伯爵と原作は異なる点が多く、驚きや感心、ハラハラといった感情で読みました。
内容が登場人物の手記や手紙、書類などで構成されているため、ドラキュラ伯爵の動向が「登場人物の前に現れた時」にしかはっきり分からず、物語的には登場人物たちの「いつどこから敵が現れるからない緊張感」が伝わっていいのかもしれませんが、伯爵推しにとってはとてもモヤモヤしました。
外伝で伯爵の手記とか手紙の内容が書かれた話があれば迷わず読んだのに!ってなりました。
Posted by ブクログ
元祖ドラキュラです。アニメやTVで子供の時から知ってるあの俳優の吸血鬼や、小野さんの屍鬼やキングの呪われた町など怖い吸血鬼を知ってるけど、そもそも元祖がどうだったのか気になってた。本家本元は意外に共通項も多く、ニンニクと十字架が弱かったり、コウモリや狼に化身する一方で、血を1回吸って、はい、バンパイア仲間の出来上がりと言うわけにはならないのである。
で、電子書籍では気づきにくいけど結構分厚くて立派な怪奇小説の本作、とても長くて読むのにすごく時間がかかった。日記形式で、各登場人物のモノローグで進むから、個々の心情が細かく色濃く(しつこく)語られ、良い意味で雰囲気がじっくり味わえる。恋人が徐々に冒されていき、じわじわと死が忍び寄る雰囲気はなかなか怪奇でよい。血が足りないから全員で献血輸血して(血液型関係ない笑)、その後師匠に吸い取られて弱って、その繰り返しのなか遂に不審死してからドラキュラ化するのだけど、その異様さもホラーの魁として、読みごたえがあった。あえていうなら、決戦で向かったルーマニア行程が長すぎで、その割にあっけなくという感じだったので、もう少し頑張ってほしかった気もするけど、そのあたりは古典文学、元祖でお許しをということかもしれない。この文庫ではフランケンシュタインも読んだし、後はなんだっけか。