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Posted by ブクログ
佐野洋子さんのクリスマス絵本です。
年とった木がいった。
「木というものは、しっかり根をひろげて、たおれるまでそこに いるものだ」
「わたしは きれいな町で クリスマスツリーになるの」
おかを こえて、野原を つっきって、もみの木は 走った。
でも 雪がふってきて もみの木は 町にはいけず もときた道をもどっていきました。
雪がふりやみ
「なかないで」
赤い つる草は、そうっと もみの木をなでて、からみついた。
りすは、金色の どんぐりの実を もみの木にわけてやった。
小鳥たちは、
「ここで たまごを うませてね」といった。
いちばん 大きな星が、もみの木の てっぺんで かがやいた。
「きみは すばらしい クリスマスツリーだな」
年とった木は 空からささやいた。
「わたし、クリスマスツリーになるための、うまれてきたの」
もみの木は 小さい声でいった。
一番欲しかったものは、身近にあったというお話でしょうか。