あらすじ
学歴があれば「勝ち組」なのか?
月10万円の困窮生活、振り込め詐欺や万引きに手を染める、博士課程中退で借金1000万円、ロースクールを経て「ヒモ」に、日本に馴染めない帰国子女、教育費2000万円かけたのに無職……
「こんなはずではなかった」
誰にも言えない悲惨な実態!
【目次】
序章 犯罪者になった高学歴難民
第1章 博士課程難民
第2章 法曹難民
第3章 海外留学帰国難民
第4章 難民生活を支える「家族の告白」
第5章 高学歴難民が孤立する構造
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Posted by ブクログ
★★★★★ポスドク、法科、留学などによる高学歴と言われる人達も、その後が順風満帆なわけではない。たくさんの事例紹介の後、なぜ今まで高学歴難民が支援の対象になっていなかったか考察されている。学ぶことが嫌いではなく得意なのは長所なので、自分の適職に出会うフォローや仕組みがあれば本人も家族も救われるだろうにと思った。
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末は博士か大臣か…難民?!
オイラ自身は何とか逃げ切れるかな、ってところまで来たけど、子どもこれから受験生…いろいろツラい。知っとくに越したことないけど。
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タイトル通り、高学歴で、でも上手くいかない人たちの事例集だ。
テーマも言いたいこともシンプルで、下手に飾ったような書き方でも分析じみた書き方でもなく、素直に受け止めることができた。
自分だってどちらかと言えば高学歴な部類に入り、上手くいかなかったらこうなっていたかもしれないのだ、と思うと、今の幸せと周りの人を大事にしなければいけないなぁと思う。
もちろん私も人間だから、好きになれない人もいるけれど、そういう人を馬鹿にしたり下に見たりしてはいけない、と自分を戒めてしまった。
Posted by ブクログ
なんというか…実際に博士号を取得できているので能力はある、そして聡いのは間違いないんだけど身分不相応なプライドと選民思想が破滅を招いているというか…
女性の性風俗で働く人も心の底ではその仕事バカにしてるのが透けて見えるしそこで働いている人も利用してる人も見下してるのがインタビューでわかるのがなんだかなぁ
自分という視点が抜けていながら自分にしか関心がない様な感じで自己愛が強すぎるのかしら
Posted by ブクログ
タイトル惚れの一冊。
だが読み進めていくに従って描き出される、現代日本における学歴社会の非情さと、うまく社会のレールに乗れなかった場合のセーフティネットの無さに暗澹とした気持ちになった。
学歴や就職にこだわり大学院に進んで、生活がたち行かなくなった人。 法曹界を目指し司法試験に挑むものの、高い壁に阻まれ社会人として再起が難しくなった人。そしてその周囲で当人を支える家族の苦悩と後悔。
就職氷河期世代にギリギリかぶる自分としては、ややもすれば紙一重で自分も歩んだかもしれない未来が、そこに描かれている。
就職氷河期世代も含め、もっと社会や国がすべき対策があるのではないだろうか?置き去りにされた声無き声を拾い上げて欲しい。
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これ、読んだことがあるかもしれません。
それとも、何かの記事で、部分的に読んだことがあるのかもしれません。
切ないです。
でも、わかりますし、危惧しています。
私は、3流私立大学出身です。
両親は、地方の国立大学出身で、教員をしていました。
弟は、クラスで1〜2人しか大学に行かないような高校に通っていました。しかし、母が、大学に行った方が絶対に良いという思想のもと、進学を進めました。二浪して、専門学校に入って、もう一度受験して、地方の無名私立大学を卒業。就職は、大卒扱いではなく、高卒扱い。歳下の上司に教わるのが辛いと、何年かで退職し、実家へ。その後、実家で就職しましたが、事故で亡くなりました。
私は、結婚して専業主婦になり、自分の学歴コンプレックスもあり、教育ママに。
子ども2人は、まあまあの大学に入りました。
上の子は、無事就職。辛いと言いつつ、3年は続いています。
下の子は、やりたい事がまだわからないから、大学院に行こうかなと言うので、それなら、就職するよう伝えました。大学の先生や夫も、そんな理由で大学院に行っても良いと言いましたが…。
私自身も、何をやりたいかわからないので、大学院に行こうかと思い、母に、お金がないからダメと言われました。でも、あの時、中途半端に大学院に行かず、就職して良かったと思います。仕事を始めても、迷ったり、悩んだりします。でも、何かしらの社会経験は、大切です。そこから学び、自分自身を分析して、方向転換するも良し、長くやった事が、特技になる場合もあります。
私も、どちらかと言えば、学ぶ方が好き。資格試験も比較的得意です。インプットして、覚えた事をアウトプットするだけですがから。実際に働くと、ストレスはあります。でも、コミュニケーションを取ってなんとかやっていかないと、人は生活の糧を稼ぐことは出来ません。
高学歴難民…高学歴ではないですが、私も予備軍でした。生活費を稼ぐことは、大切です。
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職業柄、学歴に直結する大学とその中で難民となった方々の事例はまとめて読めるという点を含めよいケーススタディとなった。
受験合格がゴールでないことが如実にわかる一冊。
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日本で高学歴(大卒・大学院)で毎年多くの学生が世に放たれている。大きく分けて理系は研究職等の就職率がそれなりあり、人文系の学部や非正規雇用に流れることが多いことが傾向として示唆される。
さて、本著は高学歴難民という存在について紹介と解説と支援の必要性を訴える本である。高学歴難民とは最近の話ではなく歴史から見ても昔からいる。中には進学校の高校時代のプライドを拗らせた難民も中にはいる。高学歴難民は多くの要因や原因が考えられる。高学歴であれ低学歴であれ、学歴が無い人であれ、それは本質的には区別する意味はない。全員人であり得手不得手に出会い壁に直面した自然なことだ。
私は思う、高学歴というのは問題解決能力がそれなりに自力で解決出来ることを。ただ、どんな高学歴であれ、入学した途端に勉学を放棄し学生生活から破綻している人も多いのも事実であり、それは外側だけからではわからない。
本著の主張している通りに、他人軸や他人ありきの評価で生きている狭い視野の世界では、なんと息しづらいことか。それも本人が越えなくてはいけない壁である。支援があるにせよ、決断するのは本人なのだから。
就職出来ないのであれば、小さく起業するのもいいだろう。多くの高学歴者はコンサルや外資や大手、官庁へ就職していくので、皆とは異なる選択肢をするのも悪くはない。どの世界も簡単に稼げるわけではないが、普通に就職出来ないという事実があり難しいのであれば、多くの選択肢を集め、行動しながら学習し学び活かしていければいいのだ。
歴史から学ぶことだ。流行りの人の言葉は地雷が多い。それも経験だ。
高学歴という大学名で勝負できるのは現実、卒業して3年程度の消費期限だ。どんな学歴であれ、学歴が無くてもいい。自分の頭で考え決断し行動し失敗し修正し立ち上がり、前へ進む。その繰り返しだ。学歴という、それらには縛られず本著が勧める通りに自分の人生に主体性を持ち、“自分にとっての幸せ”について考えてほしいという言葉に帰結するのではないか。私はそう思うのだ。
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「学歴があるにもかかわらず、学歴に見合った社会的地位を得ることに失敗した高学歴難民」
とは、なんてつらい言葉なんだろう。
学歴に見合った社会的地位って‥。
学歴があったからといって人生がうまくいくわけではなく、そのコンプレックスがもとで犯罪を犯してしまったりすることすらある事例をいくつも見て、心が苦しくなりました。
では、どうしたらいいの?
人が幸せに生きるって難しいことなんだな。
『どうせおまえたちなんかに俺の価値はわかないだろう‥』と社会に背を向けている人を、誰が助けたいと思うでしょうか。幸せを手に入れた高学歴難民に共通することは、人との出会いを大切にし、行動し続けたことです。
自ら行動を起こし、未来を切り拓いてください。」
多くの高学歴難民から相談を受け、就労支援をしてきた著者の言葉が深いです。
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学歴のみで人は判断できないということをしっかりと理解した。高校生のうちに読んでおいてよかった。偏差値も大事だが、自分が学びたいことを学べる大学に進みたい。
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自分の子供には良い教育をと思っているけど、高学歴だけが大切ではないことをわからせてくれる本。
高学歴に固執するがあまり、自分のキャリアのスタートを送らせて苦しむは人たちがいる。自分も浪人したのでその気持ちはわかるので読んでいて耳が痛かった。自分の子供には正しい認識を持つように対話をしていきたい。
なお、日本では高学歴難民になる人が多いというのはわかったけど海外では高学歴のCEOや成功者も多いので日本とその他の国の違いにも興味が出てきた次第である。
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中国では多くの高学歴者の就職先が見つからず、浪人、もしくは低所得者労働者になっていると言う。今後日本でも高学歴の大学卒でも思った就職先が見つからない、就職できないなど出てくることは間違いない。それは日本経済の低迷で追加人材を採用できない環境であり、高齢者の継続的労働と同じ仕事でも低賃金で働く環境となっているからである。ここにある、若手の必要性感じる職とは「専門職」「特殊技術職」「新たな職」となる、さもなければ他国への移住し探す方が早いと感じる。別の見方をすると、希望する職を得たとしても、思った企業・職ではないと感じ(がまん、辛抱する精神的ストレスに弱い)、すぐ転職する層が増える中で、今後は若い層の就職難が続くと見る。そうなると結婚も、子供も、家も持たない低所得層へとプライドとの葛藤も含め選択肢を失くし、究極「難民」になる。過去の「高学歴者の高待遇、最高の就職先」など、世間ではすでに崩壊、それよりも人間性などを重視した人材登用にシフトしている。
解決策の一つは、政府の起業家・中小企業への大胆な支援だと思う。新規ビジネスを活性化させることだ。特に「農業分野」、「エネルギー対策」(海底資源含む)、「ソフト開発」での活性化は日本にとって経済復興への必須の分野となる。
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高学歴というよりは、大学院に進んだり、海外留学したり、20代後半くらいまで卒業時期を後ろにずらしてしまうと、途端に就職口が狭まるらしい。
若干ひっかかるのは、高学歴難民というタイトルなのだが、高学歴=成功が約束されている、的な構図が著者の頭の中にはあるのか?、もしくは世間一般はそう考えているのか?ということ。だから、高学歴なのにこんな目に、みたいな話なっている。
比較すれば、それでも高学歴の人のほうが成功者だし、そのネットワークには組み込まれているんじゃないかと思うけど。失敗している人はプライドが邪魔している。
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序章 犯罪者、1章 博士課程、2章 法曹、3章 海外留学、4章 家族の告白、5章 高学歴難民の孤立 という章立てで、高学歴だが将来の望みがなく生活に困っている人を描くという構想だったと思う。たしかに、序章と1章に描かれているのはまあ高学歴志向の犠牲になった人という感じがする。しかし、2章の法科大学院卒司法試験失敗組と3章の海外留学帰りの人は、それなりに楽しくやっているし、4章に書かれているモンスターは、高学歴の犠牲者というより学歴がなくてもモンスターになるタイプの人のように見える。
日本の文系の大学院への進学は、生活の役に立たない無駄遣いだ、ということを再確認させるという意味はある。
Posted by ブクログ
加害者家族支援をされている阿部さんの本でありタイトルも「確かにそういう人増えてるな」と問題意識があったので手に取り。
しかし…事例が豊富で確かにそれは問題、大変…といろいろ知ることはできましたが、結局それでこの問題をどのように解決したり打開するのか、ということに全く触れられてなく。
だいたいの人は大学院進学が分岐点、というような分析箇所があり、確かにそうだなと思いましたが、そこから何もなくて進学した事自体が悪いかのような印象を持ってしまいます。
事例を知りそのような現実の人がいることを知ることはまず大切なのは確かですがうーん…本書の感じだと「困難な人生を歩んだ人もこんなにいるね」で終わってしまうというか。
最終章にご本人の活動について触れられており、初見の方は良いですが何作か読んでいる身からすると「あれ、前作とあまり変わってない…活動行き詰まってるのかな」と心配?になるようなデジャブがありました。
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博士課程難民
法曹難民
海外留学帰国難民
学歴がない人の学歴コンプレックスより、高学歴難民の高学歴コンプレックスのほうが重症。
アカデミックハラスメントも実態は酷い。そのうち表ざたになるのではないか。
意外なところに高学歴難民がいる。
Posted by ブクログ
「事例集」としては秀逸。
どうすれば「高学歴難民化」を社会として防げるか、いったん「高学歴難民化」した者を救えるか、という観点からの続編を期待したい。