あらすじ
「星野さんは人を残し、落合さんは結果を残した」
スカウト歴38年
闘将とオレ竜に仕え、球団の栄枯盛衰を見てきた男が明かす
ドラフト舞台裏
【目次】
■まえがき
■序章
■第一章 星野監督時代のドラフト(1986年―1991年)
1986年 ドラフトは5年先、10年先を見据える
1987年 星野さんの強運と豪腕
1988年 「全権監督」星野さんの辣腕
1989年 初めてこだわった「即戦力投手」の獲得
1990年 星野さんらしくなかったドラフト戦略
1991年 見送られた「鈴木一朗」の指名
1992年 出遅れた松井獲得競争
1993年 同学年、平田と川上の差
1994年 「高校時代の印象」で逃した、後の大物ピッチャー
■第二章 星野監督時代のドラフト(1995年―2001年)
1995年 球団の「外」から福留1位を決めた星野さん
1996年 ダイエーとの熾烈な選手争奪戦
1997年 会心のドラフト
1998年 逆指名の恩恵を最大に受けた指名
1999年 裏目に出た星野監督の皮算用
2000年 またもダイエーに敗れた目玉選手の争奪戦
2001年 星野さんの電撃退任と「右の大砲」
コラム 山田久志監督時代
2002年 「立浪二世」と期待した明徳義塾・森岡
■第三章 落合監督時代のドラフト(2003年―2010年)
2003年 青天の霹靂だった落合さんの監督就任
2004年 「高校生は1人もいらない」
2005年 故障抱えた吉見の獲得
2006年 プロでの明暗分かれた堂上と坂本
2007年 中田翔を欲しがらなかった落合さん
2008年 1巡目指名を巡って監督と意見対立
2009年 不可解な上位指名リクエスト
2010年 心中覚悟、大野ありきのドラフト戦略
コラム 髙木守道監督時代
2011年 周平に託したかった中日の未来/獲るべきだった「打てる」選手
2012年 早くに諦めた大谷翔平の指名/自分の首を絞めた則本の紹介
■第四章 落合GM時代のドラフト(2013年―2016年)
2013年 GMとしてやらざるを得なかった汚れ仕事
2014年 上手くいかなかった、全員即戦力狙いの指名
2015年 GMとスカウトが共有した危機感
2016年 スカウト会議に出なかったGMラストシーズン
コラム 森繁和監督時代
2017年 2人の高校生キャッチャー、中村と村上
2018年 直らなかった根尾の欠点
コラム 与田剛監督時代
2019年 これからの中日を背負う石川と岡林
2020年 幸運だった髙橋宏斗の1位指名
2021年 目をつぶって一軍で使ってほしい3人
■あとがき
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Posted by ブクログ
中田さんの話しだけに面白かった。
星野さんと落合さんのそれぞれのチームについての考えやドラフト戦略が分かり、面白かった。
ドラゴンズ以外で指名した選手に対する評価、指名出来なかった経緯など大まかに書かれていたのも面白かった。
中田さんなしでは、ドラゴンズは語れないそう感じる作品でした。
Posted by ブクログ
「組織・人事は戦略に依存する」
「組織はリーダーに依存する」
「どんなチームにしたいのか?」
この全体戦略に則ってドラフト戦略、言いかえれば人事戦略が決められていきます。
また、リーダーによってその組織文化が決まっていきます。
これらのことが、リアリティに感じられます。
つまり、ドラフトの事と同時に、その中の組織文化も体感できます。
ドラゴンズの現在の貧打の原因の一部も垣間見れて興味深かったです。また、他球団のスター選手のドラフト当時の状況等も書かれいて、ドラゴンズファンじゃなくても面白く読めました。
Posted by ブクログ
ドラフトは10年後にしかわからないが、星野監督時代やその他の監督の方が、活躍している。落合監督時代はなぜかあまり活躍していない。たぶん、レギュラーが固定化されたためかなあ
Posted by ブクログ
スカウト歴38年、元中日スカウト部長が回想するスカウト視点のプロ野球史。
全て実名で筆者が携わったドラフトの指名意図、他球団の指名を回想する。ドラフトで指名されプロ野球選手になるのは、ほんのひと握りだが、指名順位と球団、そこで出会うコーチ、監督や選手層、活躍するまで多くの運が存在する。
本書で意外なのは本当の意味での隠し球はないということ。中日だってイチローや古田、柳田、近藤、山川などそれなりにマークしている。GMや監督とのコミュニケーション不足だったり、その年の指名方針だったり、他球団に先に指名されてしまったり。たいていの社会人、大学の指名選手は既に高校時代にスカウトがチェックしているようだ。
星野監督、落合監督の微妙な好みも面白い。
中途半端な名選手の本より、スカウト目線の本の方がよほど面白い。
Posted by ブクログ
中日で長年スカウトをされていた中田宗男さんの著書。中日のドラフト中心で書かれていますが、結果的に指名しなかったが他のチームに指名された選手も多く出てきて、ヤクルトファンの私が読んでも面白かったです。
ドラフトを見ていて自分の予想と違った指名になると気分が良くはなりませんが、球団の指名にはその時の事情があり、またスカウト活動自体大変なものなので、球団の選択には敬意をもたないとな、と思いました。
Posted by ブクログ
★今の中日が打てないのは何故かはよく分かった。この著者の責任が大きいのだが、ちゃんと認めて反省してるので非難はしずらいものがある。
★改めて見ると星野時代のドラフトは良かったというか、落合時代のドラフトはスカばっかりというか。落合は運用は良かったが、選手を選ぶ目は悪かったのもよく分かった。
★懐かしいのもあって一気に読めたが、後半にいくにつれドラフト結果が酷くて読むのもしんどい。
Posted by ブクログ
ドラフトの裏側が色濃く描かれた一冊。ドラゴンズのことを深く知れた気になる。
スカウト・首脳陣・フロントそれぞれの思惑が毎年のドラフトに詰め込まれていることがよくわかった。
選ぶ側の思惑はもちろん、指名される側の思惑にも躊躇なく触れており、多方面からのドラフトの見方がとても勉強になった。
「なぜ今年はこういう指名をしたのか?」には必ず答えがあるようなので、今年もドラフトが楽しみだ。
Posted by ブクログ
長年のドラゴンズファンにとっては、これだけ長い間のドラフトにまつわる濃いエピソードが詰まっていてありがたい一冊。星野監督が将来を見据えたチーム編成を意識していた中で後々花開いた選手が多かったが、落合監督時代に獲得した選手は即戦力中心だが伸び悩み、後の低迷に繋がったことがわかる。しかし落合の球団の中で置かれた立場は星野や守道、立浪と違って厳しく、結果で黙らせるしかなかった背景は理解しないといけないか。
Posted by ブクログ
こういう裏側の話を聞くのは大好き
思ってた以上に出身校や所属している組織との関係性がドラフトに影響していることは驚き
色んなしがらみがあってのドラフトだと思うと、疑問だった指名も指名しなかった理由も、理解できることはあって、読んでいて楽しかった
Posted by ブクログ
よくわかりました。チームを強くする要素の一つがドラフトなんですね。よくここまで書いてくれた。特に、落合監督との考え方の違いがよくわかった。星野監督のように10年先の事を考えて選手を取っていく必要がある。それがチーム愛である。目先だけでは、現実場面でもNGだろう。
Posted by ブクログ
星野監督:1987年-1991年、1996年-2001年。
落合監督:2003年-2010年、落合GM:2013年-2016年。
と、星野と落合がドラフトに長く関わっているので、このタイトルになっているが、
1986年から2021年までの中日ドラゴンズのドラフト裏話だった。
タイトル通りに、星野と落合が絡んでいない年は短くまとめている。
育成を含め、どのチームもドラフト候補選手は若い時からマークしている。
指名するか否かは、その時のチーム事情や監督の好み、育成環境などによるが、スカウトの力量にもよる。
ドラゴンズは球場が広いからホームラン数が少ないことになっているが、
本書を読むとホームランバッターを採っていないことが明確。
打撃よりも守備重視で、現在他チームで打線の中心となっている選手をドラフト候補から外したり、指名順を下位にしたために他チームに採られている。
その責任の多くが本書の著者の中田宗男にあるように読める。
もしくは、獲得した才能ある選手を育成できずに潰してしまっているのかも知れない。
現在のドラゴンズが弱いのは、打撃を重視しないドラフト戦略のまずさにもありそうだ。
直近10年のチーム成績は3位と4位が一度で、後の8回は最下位争いに甘んじている。
落合が監督の時に「ああいうタイプはいらん」と言ってドラフト候補からも外させた中田翔が2024年から中日だ。
誰か若手で大化けする選手が出てくると面白いんだけど、どうかな?