あらすじ
父親から下町の駄菓子工場を継いだ素人の娘。老舗旅館の女将を継ぎたい、トランスジェンダーの息子。障碍者を雇用する会社で、仕事に、人間関係に悩む新入社員。祖父の農場を継ぐという息子を心配する父親。なにかを「継ぐ」にはトラブルがつきもの。それでも前の世代から何かを引き継ぎ、次へ伝えようともがく人々を描く、連作短編集。
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Posted by ブクログ
「後継ぎのいない理容店」理髪店の息子が介護職に進んだ訳は父親のシャンプーがきっかけだった
「女社長の結婚」麩菓子工場の娘が父の死去で跡取りになる決意、そして結婚も決意する。
結婚相手がものすごく素敵
「わが社のマニュアル」障害者雇用が盛んな会社に途中入社した健常者、マニュアル無しで試行錯誤しながら自分なりに相手との距離を決められるようになる
「親子三代」牧場を負債とともに相続するべきか悩む、都会に出て成功した息子が、自分の息子の仕事との間で揺れ動く
「若女将になりたい!」
トランスジェンダーの息子を受け入れ、今の女将との間に立つ血縁関係は無い父親
「サラリーマンの父と娘」定年間近な父親と、異動に悩む娘。娘を見守る父親の、手探りながらも愛のある心遣いで、娘はサラリーマンの宿命を受け入れ成長していく
あとを継ぐ、継がない、どちらも大変な決断だけど、最後のパターンは一般的な継ぐとは異なる、同じ職種ならではの大きなアドバイスのようなイメージ。
女社長の結婚、が一番好き。