【感想・ネタバレ】不可逆少年のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ


【内容】
13歳?の少女が、大人3人と自らの姉を監禁して殺す(姉は未遂)フォックス事件から物語は始まる。
被害者家族である茉莉と、砂と漠の兄弟、被害者本人である奏乃は同じ学校に通う生徒だった。
父親に指を潰され夢だった美容師の道を断たれかけてしまった砂は覚醒剤に手を出し、電車に乗る女子高校生の髪を切る事件を起こしてしまう。
茉莉と漠は覚醒剤から抜け出させようと砂を拘束して二人が世話をして生活をする。
そんなある日、奏乃の仕組みで茉莉が警察に拘束され、その間に奏乃が砂を殺害する。
奏乃が殺害したことを知らない茉莉となんとなく察しているが茉莉を守りたい漠は死体を隠蔽する。
茉莉の告白によって事件は真相を向かえ、フォックス事件も実は奏乃と詩緒による共犯だったことが分かる。
日本にはない神経犯罪学の観点から見る可塑性のない不可逆少年という考え方について問う作品。


【感想】
五十嵐さんらしい、司法への問いかけが込められた作品。
冒頭の詩緒のシンプルな残虐性と奏乃の感情の抜け落ちた残虐性のコントラストが鮮やかで恐ろしかった。
また、茉莉と砂、漠の恋心や様々な要素が混ざり合った心情変化や行動が生々しく感じられた。
「不可逆少年」という考え方に理解を示しつつも、どうしても子供の未来を信じたいという主人公の想いもシンプルで非常によかった。

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「不可逆少年」とは何なのか。
多くの少年犯罪の加害者と面談をしてきた主人公。
「やり直せるから、少年なんだよ」
この一言に最初、心が揺れ動きました。やり直せる時間や期間、自分と向き合える、事件と向き合えることが大人の協力を得てできるのが少年なのかと、知りました。
小説を読み進めていく中で、この一言の意味を改めて考えていきました。
表紙にもある狐の面の意味を知って、驚愕しました。少年事件、法律の在り方についても考えさせられる作品でした。

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2024年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

狐のお面をつけた少女が3人の大人を刺殺・撲殺・絞殺。毒殺に失敗して生き残ったのは少女の姉だった…

という出だしが凄そうで購入してみた、のだが。

最初のつかみの華やかさの割には中盤以降単調に感じてしまった。犯人が13歳で罪に問われないという設定のせいで警察ではなく馴染みのない調査官だったり鑑別所だったりしたせいかな…と思ったのだが、1番自分にとって消化不良になったのは、主人公を挙げろ、と言われたら誰だっけ?というくらい登場人物に頭抜けた魅力がある人がいなかったからかな〜という気がしてる。

被害者の子供(茉莉やバク)や加害者の姉であり被害者でもある奏乃が普通に学校に来て普通に話してるのも現実味がなくて応援できなければ、犯人を追い詰めるこっちサイドのキャラクター達もなんか頼りなかったり言葉が足りなかったりルール無法だったりと同調できるキャラではなく。犯人だけど魅力的、とか、探偵役に思わず肩入れしちゃう、ということなく終わってしまって、なんかこう、ひとりの人の独白を聞かされてるくらい淡白だったなーと。

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2023年10月14日

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