【感想・ネタバレ】日本恋愛思想史 記紀万葉から現代までのレビュー

あらすじ

日本人はどのような恋愛をしてきたのか――。記紀万葉の時代から公家文化、武家文化、町人文化の時代を経て、近代の恋愛結婚至上主義、戦後の純潔教育、性の解放へ。恋愛研究の第一人者である作家・比較文学者が、古今東西の文献を博捜し、古典的名作から戦後の通俗小説、映像作品まで目配りしつつ圧倒的なスケールで描く、比較恋愛思想史の決定版。『〈男の恋〉の文学史』以来一五年におよぶ研究の集大成。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者さんの文章の中心となる主張

・「性の解放(公言された学術用語ではないですが「乱れ」「活発化」「自由化」とも)」による
脱近代化・ポストモダン化は起こっていない、なぜなら、
今もなお近代から続く恋愛結婚は、国内の大部分を占める人たちによって
最重要視されており、また巷では実際に恋愛格差なるものが存在しているから。

・「恋愛」は近代以降の輸入品ではない、
なぜなら近世より前の中世、古代には、
時代によって、さらに身分の階級区分によって
形のちがう恋が存在していたとかんがえられるから。

・性の問題.遊女神聖化の否定.
売春禁止法以降,性のはけ口としての
強姦,少女買春(援交など)をはじめ性関連のさまざまな問題が増加
(ただし書中では,大きく議論されていない)
この本の話の内容全体が、
過去から現代までの比較恋愛研究に関してや
文芸、娯楽などに関して、
幅広いスケールで展開されているので、整理するのに難しいです。だけれど,とても面白かった。
これまで断片的にしか知識をもっていなかったために,
中途半端が一番よくないというのは本当で,
日本人の恋愛観史を誤解していた点が多かったことに気づかされました。
圧倒されるのは,参考引用文献の数の多さ.

しかし,恋愛観というのは,思想的な部分を持つものだとは思っていましたが,
想像以上に思想的でおどろきました.こんなに,時代と人ともに,
変遷してきていたなんて.

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2013年03月05日

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