【感想・ネタバレ】The Power Law(ザ・パワー・ロー) ベンチャーキャピタルが変える世界(下)のレビュー

あらすじ

フェイスブック、アリババ、ウーバー……。果敢な投資で巨大な富と力を得たベンチャーキャピタル。しかしその金と名声に目もくれぬ起業家が現れる。波乱と興奮のドラマは第二幕へ。

・下巻は「若者たちの反乱」=ベンチャーキャピタルの言いなりにならない創業者が登場、その代表格がフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、ショーン・パーカーだ。彼らがいかに衝撃を与えたか、そして新しい投資のかたちは、どのように生まれ発展したのかを描く。

・また、ピーターティールやアンドリーセンとホロウィッツなど、新たな世代のベンチャーキャピタリストが台頭し、スタートアップとの関係にも変化の季節が訪れる。
さらに、アリババをはじめ物語は中国も舞台とする。21世紀の初頭、巨大な経済マーケットを誇る一方、規制の厳しい大国に、どうやってマネーは入り込んでいったのかも、緻密な取材で明らかにする。

・ベンチャーキャピタルの誕生と進化・発展の物語ののちに、経済社会的な意義、また問題点などにも言及、著者の鋭い洞察力が光る論考も大いに参考になる。

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Posted by ブクログ

特に第9章、第13章が最高に面白かった。
ハンズオン支援を一切やらなくなり、あくまで創業者のために投資を行うスタイルがピーター・ティールのファウンダーズ・ファンド。

資本構成の見直しから経営の執行・監督まで幅広く関与し、創業者ではなく会社のためのバリューアップとは全く真逆にスタイルが2000年代に出てきた後、

少しだけアンドリーセン・ホロウィッツにより揺り戻しが起こり、会社のためのバリューアップに力点が置かれるようになった。

よく「VCはバリューアップできるものなんて何もない」という人もいるが、そういう人はまずこの本を読むべき。歴代の著名VCがいかにしてスタートアップを助けてきたがわかる。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

シリコンバレーのローカルビジネス(しかし、波及効果はグローバルに)だったVCが東海岸やロシア系ヘッジファンド系を巻き込み、ファイスブックを始め若き起業家の隆起を招き、中国の別の生態系を生み出し、巨大な潮流を生み出した。結果、ウィーワークやウーバーの暴走を生み、今やAIとシリコンを武器とした国家間競争につながる。VCに対しては未だに賛否両論はあれど終章にあるような善の効果が圧倒的に高いと個人的には考える。例えばモデルナはフラッグシップ・パイオニアリング社が資金提供しなければ存在していなかった可能性が高く、COVID-19の終息は更に長引いた可能性が高い。高速に猛省と猛進を繰り返しながらVCの役割は今後も重要になることを痛感する良著であった。それにしてもVCは栄枯盛衰はあるけれどもセコイアの強さが際立つ(いまのところ)。

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2024年02月26日

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