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正義とは、重要だが軽薄
久しぶりに読みました。
懐かしく思いつつ購入して読み始めましたが、あっという間に作品に引き込まれ没頭してしまいました。
正義とは、振りかざす人間にとっては重要だが、振りかざされる人間にとっては非常に軽薄なものだ。本作品中で語られる正義には、大義はなく大義なき正義が生み出すものは悲劇しかありえない。その当たり前のことを真正面から描いた手塚治虫先生の視点は、物書きとしての定点がぶれることなく実に正々堂々としておられる。
作中の子供たちが、肌や髪の色が違う事を理由に同級生をいじめる場面にも、戦闘の場面にも、特高警察にも、ナチスにも、それぞれの行動に理由はあるが、それは単にそれぞれが考え出した理由でしかなく、大義でもなんでもない。
聖戦と言えども、あなた方の神様にとっては聖戦かもしれないけど、戦うことに大義はない。なぜなら、それはあなた方が考え出した神様だから、ということを訴えかけて来る作品です。
子供達にも読んで貰いたいと思います。