【感想・ネタバレ】ヤマケイ文庫 登山史の森へのレビュー

あらすじ

カモシカ山行の由来、沢と谷とはどう違う、川端康成・夏目漱石と山、日本でザイルが初めて使われたのはいつか、『単独行』に登場する加藤文太郎の友達とは、松濤明『風雪のビヴァーク』秘話など、登山史の“裏側”を丹念な調査で読み解く。
『岩と雪』に掲載された「山――陶酔と失墜」を特別収録。

解説・布川欣一。


■内容
1 登山史の落としもの
<落としもの袋>/カモシカ山行の由来/パンとおソバと山と/愛すべき山の犬たち/上空から見た登山者/ヒマラヤの山名異聞/
「山名・地名」異聞抄/山岳書誌命名の由来/沢と谷とはどう違う/登山家が名づけた山/文士と山の間がら/ザイルの仕様事始め/
ヘンな山の道具たち/戦時下の登山者たち/知られざる山女たち/加藤文太郎の友達/松濤明のパートナー/初登攀前夜の一ノ倉/
遺稿『高みへの序曲』/「不可能神話」の崩壊/知られざる初登攀者

2 山と人間
アウトサイダーの系譜/クライマーとしてのW・ウェストン/アルピニスト松濤明考/失われた記録――立田實の生涯/人間・小西政継/
長谷川恒男とその時代/ラインホルト・メスナーの孤独/登山、その限りなき退潮/最後のマタギ、工藤光治氏に聴く/ソロクライマーの謳う歌/
山――陶酔と失墜

おわりに
父、遠藤甲太(遠藤賢治)
解説(布川欣一)
人名索引

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Posted by ブクログ

遠藤甲太『登山史の森へ』ヤマケイ文庫。

登山史の裏側を丹念な調査で読み解くノンフィクション。まるで著者の手により歴史に埋もれた真実を掘り起こすかのような仕事だ。

如何せん古い記録が多く、余程登山に精通した人や興味を持つ人でなければ楽しめない内容だろう。

全編を通した明確なテーマがある訳ではなく、登山のテクニカルな話から登山の道具、小説家と登山の関わり、登山家たちの言葉、はたまた最後のマタギへのインタビューと話はあちらこちらと行き来する。従って、部分部分では面白いのだが、全編を通してとなると、期待外れの部類となるだろう。

定価1,650円
★★★

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2023年10月15日

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