あらすじ
●微分・積分の理解に、数式や記号はいっさい不要! ●数式を使わず、微分・積分の本質を、1つひとつ丁寧に解説。 ●数学が苦手でもスラスラ読めて「完全独習」できる入門書! 微分・積分と聞くと、「数式ばかりで難解」と思う人も多いかもしれない。しかし、それはとても「もったいないこと」だと著者は言う。なぜなら、微分・積分は「現代社会の礎」と言われるほど重要な数学理論であり、理解すれば「世界の見方がガラリと変わる」とも言われているからだ。しかも、その本質を理解するには「数式も暗記も一切不要!」と著者は語る。そこで本書では、数式や記号を使わず、図やイラストを中心に微分・積分のエッセンスを、1つひとつ丁寧に解説する。数学が苦手でもスラスラ読めて「完全独習」できる入門書、誕生!
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Posted by ブクログ
名前は知ってるけれど、何だっけ?
の代表格とも言える「微分積分」を、
細かく細かくかみ砕いて、
それを一つひとつ簡単にしてわかり易くしている
とても良い本でした。
上記の「細かくして簡単にする」これがまさに
「微分」
微分で分かりやすくなったものを集めて
「全体をまるっと理解してしまう」これがまさに
「積分」
この本では、これらを「数学」というよりも、
実は社会で使われまくっている
「考え方」として説明してくれているので、
アレルギーなく素直に、なるほど!と読めました。
世界の見え方がちょっと変わり、
微分積分すごいかも!と思えるかも知れない、
学校で微分積分を教わる最初に読んだら良いなと感じた作品でした。
Posted by ブクログ
YouTube動画でホリエモンと成田悠輔が“四則演算“は必要かという雑談をしていた。スーパーのレジなど自動計算が浸透した今、全ての人間には不要だという堀江に対し、やはり必要だろうと成田。私は成田派だが、それは単なる便利な手段を通り越し、四則演算が出来なければ、二倍働くとか、あと何日とか、全体の何割だとか、抽象的関係を理解できずに、論理を検証できない「思考力そのもの」が脆弱化するだろうからだ。
似たような議論に「社会に出てから数学を使った事がないから不要だ」という言い回しがあるが、あまり賛同しない。数学までいくと確かにそうかも知れないが、やはり定量化して考え、相対的に認知・推論できる論理能力は数字に限らず必要だと思うからだ。
ならば、微分・積分はどうか。これも識者の言辞を借りるなら、佐藤優が日常における微分的思考、積分的思考の解説を別本でしていた。この概念的な話をもう少し具体で知りたかったのと、実際にそうした数学的な概念が思考に影響し得るのか、影響するなら、自分には何か他の人には見えている「モノの見方」が抜け落ちているのではないか。そんな動機も持ちつつ…
微分とは、微小に分けることで計算を簡単にする。積分とは、分けて計算したものを積み重ねて元に戻すこと。先ずは基本から。高校数学では、解ければ良いという感じで、微分積分は解けるけど、意味不明なままという人が意外と多い。
ー 天気予報、人工衛星やロケットの進路の予測、コロナウイルスなど感染症の広がり方の予測、自然災害の被害予測、金融市場における株価の動きの子測などそれらの“予測”はすべて、微分積分を使って行われています。
ー ナイル川の氾濫は年によって水位が高かったり低かったりするために、年によっては困ったことが起こります。氾濫の水位が低すぎる年は、肥沃な土があまり運ばれてこないために農作物が育たず、食糧不足におちいっていました。逆に、水位が高い年は肥沃な土が大量に運ばれてくるために豊作になっていました。そこで、エジプトの支配層は、ナイル川の水位を見て税金を決めていました。水位が高い年は豊作になる可能性が高いので、その分だけ税金を高くしていたのです。水位を確認するのは、神官の役割でした。この水位の確認に使われていたのが、「ナイロメーター」と呼ばれる施設です。
なるほど、数学が思考に関係するのは、分配や平等、序列といった人類の社会制度に密接だからであり、世界共通言語として、「制度設計する人、理解して制度に従う人、理解せず制度に従う人」を区分してきたのだ。そしてこの発想を自然科学、物理工学に応用しさらに発展させてきた。
本書はとても分かりやすい。苦手な人も、アレルギー反応は比較的起きず読めるのではないか。