【感想・ネタバレ】懐かしい家 小池真理子怪奇幻想傑作選1のレビュー

あらすじ

夫との別居を機に、幼いころから慣れ親しんだ実家へひとり移り住んだわたし。すでに他界している両親や猫との思い出を慈いつくしみながら暮らしていたある日の夜、やわらかな温もりの気配を感じる。そしてわたしの前に現れたのは…(「懐かしい家」より)。生者と死者、現実と幻想の間で繰り広げられる世界を描く7つの短編に、表題の新作短編を加えた全8編を収録。妖しくも切なく美しい、珠玉の作品集・第1弾。

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Posted by ブクログ

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異形……読んでいる途中からザワリ、ザワリと異形の存在を感じる。だけど読むのをやめられない!!

「ミミ」「神かくし」「車影」がお気に入り!
「康平の背中」の『まんじゅう、くれい』は強烈キャラ!

夜中暗い部屋で読むのがオススメ。


ぜひ〜

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2025年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怪奇幻想傑作選1

日常の隣に異形や幻想がひそむ―小池真理子さんらしさが詰まった短編集。
死者との再会、過去の記憶、愛と恐怖の同居といったテーマが、静かな筆致で描かれる。

『ミミ』 (集英社文庫『命日』初出)
両親と婚約者を同時に事故で失った女性。絶望から立ち上がるために開いたピアノ教室に、一人の少女が通い始める。
少女との交流は、主人公にとって救いであり、同時に過去と死者との境界を揺るがすような出来事を招いていく。

「神かくし」 (新潮文庫『水無月の墓』初出)
神隠しの能力を持ってしまった少女の物語。
一見すると怪異譚だが、それはむしろ少女が生き延びるために編み出した「生き方の術」なのかもしれない。

「首」 (ハヤカワ文庫『薔薇船』初出)
兄に「この世は常世だ」と教えられた少女。やがて兄は亡くなり、首だけの姿となって現世に現れる。
現世で再び亡くなった兄は、今度は「この世の常世」に生まれ変わっていく。

「蛇口」 (『コットン』1991年8月号初出)
人が死ぬとき、必ず「蛇口」が見えるという男。その異能がもたらす不可思議な運命。
やがて彼自身が最後に目にすることになる「蛇口」とは――。これは 世にも奇妙な物語でドラマ化されたのを観た記憶があります。

「車影」 (中央公論『見えない情事』初出)
不可思議な「よみ交通」の車影。
「貴方様を無事にお運びすることを使命としています」という言葉のもと、どこへ向かうのかも知れぬ旅が始まる。これもドラマ化された記憶。

「康平の背中」 (新潮文庫『夜は満ちる』初出)
望まぬ求婚を受ける女性の前に、4年前に事故死した愛する男が現れる。
目の前にいるのは、果たして彼なのか―それとも異形の何かか。
実はこれが一番怖い。ラストの一言をそこに持っていくセンス。

「くちづけ」 (祥伝社文庫『午後のロマネスク』初出)
わずか5ページほどの小品。
罪を積み重ねながらも、どうしても結ばれたいと願う二人。
果てしなく続くような長い旅路の先にあるのは。

「懐かしい家」 (『デジタル野性時代』2011年初出)
生まれ育った懐かしい家に、一人戻った女性。
そこに広がるのは、かつての楽しかった記憶
しかしそれは、幻想に過ぎないのかもしれない。
山田太一『異人たちとの夏』を思わせるような、過去の幸福な時間との邂逅。懐かしさと幻想が溶け合う。表題作らしく、小池真理子の「記憶と死者の交錯」というテーマが凝縮されている。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

突然、壁に現れる蛇口をひねるとおどろおどろしい液体がほとばしり、身近な人の死を伝える「蛇口」
これが一番、怖かった。小池真理子ってこんな作品もあるのね。

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2018年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小池真理子特有の落ち着いた柔らかな文体と、最後にぞくっとさせる話の進め方が上手い。でも短編なのでさくさく読めるところが魅力。

続編も期待。

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2011年06月24日

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